NO.1                    第七女子会

 

「一条ライダー、ゲドール帝国と相対する」

一条「一条ライダーキーック!」

なんかジャガイモをモチーフにしたらしき怪人「ウォーッ!! バレイショーッ!」(爆発)

三田「駄目です、ゲドール帝王閣下。あの怪人までもが一条ライダーの前にあっさりとやられてしまうようでは、今回の作戦はとても成功しそうにありません」

四谷「くっ……一条ライダーめ! 今回は退くが、この次は無いと思えよ! さらばだ! 行くぞ、サンダー参謀!」

三田「はっ、ゲドール帝王閣下」

(走り去る四谷、三田)

一条「待て、ゲドール帝王め!」

五島「……また逃げられてしまいましたね、一条ライダー」

一条「五島博士。申し訳ありません」

五島「世界侵略を目論む悪の組織・ゲドール帝王との最終決戦は近いでしょう。あなたの双肩には、世界の存亡がかかっています。がんばってください」

一条「はい。ではこれから早速、奴等を倒すための作戦会議を!」

五島「……ええ。まぁ、それはひとまず置いておきまして」

一条「世界の存亡がかかっているのに、置いておくんですか!?」

五島「とりあえず、そのコスプレみたいな戦闘服を着替えてください」

一条「コスプレみたいて! 博士が着させているんでしょ!」

五島「ノリノリでそれ着ていますけど……けっこう恥ずかしいですよ?」

一条「そんな恥ずかしいものを着させていたんですか!?」

五島「いやね、一番最初に渡した時『いやいや、これ着るんですか!? こんな格好いい感狙いすぎてて逆に格好悪くなっちゃってるコスチューム着れないですよー!』ってツッコミしてもらって、
   『そう言うだろうと思って、実はこんなコスチュームも用意していたよ』と普通に格好いい戦闘服を渡す流れを予定していたんですが……」

一条「いりますかね!? そのワンクッション、いりましたかね!?」

五島「なのに一条さんたら、戦闘服渡したら、目を輝かせて『格好いい!』と」

一条「そういう流れを聴かされてからだと、すっごい恥ずかしく思えてきたわ!」

五島「まあ、一条さんが気に入ってるなら、それでいいのかな……って」

一条「その話を聴かされていなければ、ずっと気に入っていられたのに……。しょんぼりですよ、博士」

五島「まあ、それはともかく。実は今日は、あなたに連れていきたい場所があるのです」

一条「連れて行きたい場所……?」

五島「ええ。ですので、私服に着替えてから、行きましょう」

一条「わかりました」

(暗転)

(一条・五島、衣装を普段着に替えて再登場)

五島「……ああ、その私服のセンスなら、あの格好に対して『かっこいー!』とか目をきらきらさせちゃう感じになっちゃったのも頷けますね」

一条「どういう意味なのよ!?」

五島「っと。地図を見るに、ここがそうみたいですね……。さあ、一条さん、つきましたよ」

一条「……? あの……ここって居酒屋ですよね」

五島「ええ、そうですね」

一条「あ、もしかしてブラック企業と噂のこのお店をぶっ潰すことによって、正義の味方っぷりを世にアピールしようという計画ですか?」

五島「そんな物騒な話じゃありませんし、そういう民間のごたごたは我々が口出しすることでもありません。ええーと、個室の方を取ってあるらしいから……ここですかね?」

(扉、ガラリ)

二階「あ、ごっちゃん。きたっすねー」

五島「きましたよー。ほら、一条さんもこちらへ」

一条「ちょっと。ええ、と。すいません。これ、なんなんですか?」

五島「何って……合コンですけど」

一条「合コン!?」

五島「いや、聞いてくださいよ。あの子わたしの幼馴染みで二階さんっていうんですけど、5対5の合コンを開いてくれるって言うんですよ。 それで人数合わせに女子1人欲しいって言われて、一条さんを」

一条「い、嫌ですよ、合コンなんて。あたし帰ります」

五島「頼みますよ、一条さん! これも人助けですよ! 世界を守る一条ライダーならば、人助けはしておかなければですよ!」

一条「何言ってるんですか博士! あたしが助けるのは、善良な一般市民だけです!」

五島「わたしは善良な一般市民じゃないのですか!?」

一条「あのですね、あたしたちがこんなことをしている間にも、ゲドール帝王は人々を苦しませるための極悪非道な作戦を練っているかもしれないっていうのに……」

二階「あ、女子組の残りのメンバー来たっすよー」

五島「メンバー来ましたって、一条さん♪(にこにこ)」

一条「うわ、すっごい楽しそう!? いいですか、博士? ゲドール帝王が今何をしているかわからない以上、我々だって準備をしないわけには……」

四谷「ういーっすぅ」

三田「こんばんは、みなさん」

一条・五島「「……ゲドール帝王とサンダー参謀……?」」

四谷・三田「「……一条ライダーと五島博士……?」」

二階「…………あれ? 4人とも、知り合いっすか?」

一条「ちょっとごめんなさい。そちらのお二人、ちょっと廊下に出てもらえます?」

四谷・三田「「……はい」」

五島「二階ちゃん、今日楽しみだよね〜」

一条「博士も来るんですよ!」

(一条、五島・四谷・三田を引っ張って二階から離れた場所へ)

一条「……さて、ゲドール帝王とサンダー参謀。言い訳を聞こうじゃないの」

四谷「……ふ。実は今日は、この合コンをしっちゃかめっちゃかにしてやろうと画策していてな……」

一条「規模小っさ! 地球レベルでの侵略を企む悪の帝王なのに、悪事のレベルが急に小っさ!」

三田「実は今回の合コンで、『イー! イー!』って言うだけであんまり強くない戦闘員の候補を見繕おうという計画でして」

一条「何も合コンで見繕わなくても! ていうか自分で自分トコの部下を『あんまり強くない』って言っちゃったよこの参謀!」

五島「一条さん。わたしはゲドール帝王がこの合コンに参加することを見越して、君をこの合コンに誘ったのですよ」

一条「鼻高々に世迷い言を言わないで下さい! 偶然でしょう! ……とにかくゲドール帝王! ここで会ったが百年目! 今こそ決着を……」

四谷・三田「「今だけは勘弁してください、一条ライダー!」」

一条「土下座されちゃった!? 悪の軍団のトップと参謀に!?」

三田「一条ライダー、聞いてください。我々は普段あの『イー! イー!』と言うことしか能がない連中と、四六時中世界侵略の計画を立てています。毎日です。……男日照りなのです」

一条「知るか! 悪の組織が、世界侵略の片手間に男を求めるんじゃないわよ!」

四谷「もう嫌なんだ! 同級生の『この前アタシのカレシがぁ〜』とか言うのろけ話を聞くのは! 『アンタも、早く男作りなよ〜』とか上から目線で言われるのは!」

一条「世界侵略を目論む組織のてっぺんが、んな小さなことで悩むな! てか同級生がどうとか言うな、イメージが崩壊するから!」

四谷「お願いします、一条ライダー! ……いや、一条ライダーさま!」

一条「媚びてきた!?」

四谷「今日だけは見逃してくれ! あたしらは今日の合コンに賭けてるんだ! 一週間前から、どの服着てくかとかお化粧どうするかとか、サンダー参謀と二人でガールズトークしながら楽しみにしてたんだ!」

一条「悪の組織のトップがガールズトークしてるなんて……普段はクラウザーさんみたいなメイクと衣装で悪事を働いているのに……」

五島「わたしからも頼みます……」

一条「気づいたらいつの間にか、博士まで土下座!?」

五島「頼みます……一条さん……!」

五島・四谷・三田「「「この合コンを、潰さないで下さい!」」」

一条「いや、その、潰すとかそんな人聞きの悪いことを……」

五島・四谷・三田「「「我々は、男が欲しいんですっ!!!!!」」」

一条「居酒屋の廊下でなんちゅう合唱をしとるんですかあなたたちは!?」

四谷「恋人に、『今日は東京を侵略したのか。すごいじゃないか』って頭をなでなでしてもらいたいんだ!」

一条「かわいいわね、アンタ! 乙女がここにいるわ! でも侵略はさせないからね!?」

三田「一条ライダーさんに負けた時に、恋人に『僕の胸で泣いていいんだよ』って優しく声をかけてもらいたいんです」

一条「こっちは逆に負けるの前提かい、この参謀!」

五島「イケメンの恋人を連れ回して、『あんなイケメンと付き合えてるなんて、うらやましい!』って周囲の人たちに思われたいんだ!」

一条「博士は動機がただただ不純すぎますし!」

四谷「この次は本気で世界侵略するし、本気で一条ライダーと戦うから、どうか今回だけは……!」

一条「いや、本気で世界侵略されても困るんだけどね……」

三田「お慈悲を……正義の味方様!」

一条「悪の組織が、正義の味方に慈悲を求めるんじゃないわよ! ……まったく、仕方ないわね。今日だけは……正義の味方も目をつむってあげるわよ」

五島・四谷・三田「「「ありがとうございます、一条ライダー!」」」

一条「ま、また土下座なんて……」

二階「おーいみんな。男子も揃ったし、そろそろ戻……って、何やってるんすか?」

一条「え!? あ、いやこれは!」

二階「……え、あなたってそういう立場の人なんすか?」

一条「違うんです! どういう立場を想像しているのか分かりませんが、とにかく違うんです! さ、皆さんも立ってください」

五島・四谷・三田「「「イエス、マム!」」」

一条「普通に返事してください! 二階さんに妙な誤解をされてしまいますから!」

四谷「ありがとう……ありがとう……。アタシ、絶対にこの戦いに勝つよ……」

三田「勝利を我が手に」

五島「いつも以上に気合いを入れて頑張らなければ、なりませんね……!」

一条「あー、はいはい。応援してあげるから頑張ってねー。あたしは男とかまだ興味ないから、端っこの方で静かにしているわよ……」

四谷「ま。純情ぶっちゃって」

三田「あたしは男とかまだ興味ないから(笑)」

五島「そら私服のセンスもアレになりますわね」

一条「あんたら……許してやったからって、途端に図に乗りやがってからに……」

二階「じゃあ、みんな席に座って座って〜」

(五人ともイスに横並びに座る)

二階「さ、ではまずは飲み物注文しちゃうっすよ。すいませーん、店員さん。注文お願いします。みんな、何を飲むっすか?」

四谷「みんな、とりあえず生でいいだろ?」

三田「ええ、生水ですね」

一条「生ビールじゃないの!?」

二階「じゃ、店員さん。生水を十杯お願いするっす」

一条「いいの!? 生水でホントにいいの!? 素面でお楽しみなの!? KENZEN!?」

二階「それじゃあ飲み物が届くまでの間に、自己紹介しちゃうっすよー。じゃあ、女子のそっち側からお願いするっす」

四谷「はい!(起立) アタシは、四谷千秋といいます」

一条「そんな名前だったんだ……。“ゲドール帝王”的要素皆無ね……」

四谷「世界進出を目指すグローバルな会社の社長を勤めてます」

一条「悪の組織も、物は言い様ね。てか、世界進出を目指すわりには、未だに東京で私と小競り合いしてる段階だけどね」

四谷「えと……趣味はぬいぐるみを集めることです(着席)」

一条「かわいい!? さっきの『頭をなでなでしてもらいたい』でもそうだったけど、やっぱり案外乙女!」

三田「一条ライダー。一応解説しておくと、あのぬいぐるみっていうの、ウチの色んな物をモチーフにした怪人のことですよ」

一条「え、あ、そうなんだ!? あの今日のグロテスクなじゃがいもとかのことなんだ! よぉぬいぐるみとか言えたなあのデザインで!」

三田「(起立)ええと、三田夏奈と申します」

一条「三田……サンダー参謀……あぁ、あの名前、そういう意味だったのね。……できれば知りたくなかったわ」

三田「四谷さんの会社で、副社長を勤めております。Sです。皆様、今日はよろしくお願いいたします(着席)」

一条「今、サラッと変なこと言わなかった? あたしの聞き間違い?」

五島「(起立)Hello. Nice to meet you. My name is...」

一条「急にどうしたんですか!? バグでも発生したんですか!?」

五島「あぁ、失礼。帰国子女なもので、つい英語が出てしまいました」

一条「いくら合コンとはいえ、そこまでのアピールは露骨が過ぎるわよ! ていうかそもそもそんな中学生レベルの英語は何もプラスにならないし! そこの悪の二人も悔しそうにしない!」

四谷「イー、イイー、イー、イー(アタシらだってショッカー語なら堪能なのにな)」

三田「イー、イー(まったくです)」

一条「一般社会で使えそうにない言語を持ち込まないの!」

五島「普段は研究者として働いています。今日はよろしくお願いします(着席)」

一条「うん、まあ、そうなんだけどね。そうなんだけどさ……」

二階「それじゃあ、お次は、ごっちゃんの連れてきたあなたの自己紹介の番っすよ〜」

一条「……あ、あたしですか?(起立) ええと、一条春香です。普段は地域の平和な環境を保全する活動をしています」

四谷「さっきの『物は言い様』って言葉、そっくりそのまま返してやんよ」

三田「一条“ライダー”なんだから、『バイク乗りです』とでも言えばいいものを……」

一条「散々な言われようね……。えと、趣味は音楽鑑賞かな。え? 好きな歌手? ん〜、EXILEですかねえ」

二階「おっ? 男子陣色めきたってないっすか〜? さてはみんな、一条さん狙いっすか?」

一条「えっ。そ、そんな困ります。やだなあ、あははは……(着席)」

五島・四谷・三田「「「……」」」

一条「うわあ……みんな目に見えて不機嫌になっちゃった……」

四谷「……次の戦闘の時を、覚えてろよ?」

三田「今までにないくらいに極悪で強力な怪人を連れていきますからね……」

一条「ううう……なんか理不尽な怒りを向けられてる気が……」

五島「今度の戦闘の時、めっちゃボロボロの武器を使わせてあげますよ……ピンチに陥ってしまえばいいのです」

一条「味方まで敵になっている!?」

二階「……で、あたしが女子側の幹部を勤めてます、二階っすー。それじゃあみんな、今日は楽しみましょうっすー!」

五島・四谷・三田「「「(一条を睨みながら)いえーい!!!」」」

一条「楽しめないわーい! ええい、もう、お酒を飲んで現実逃避を……あっ、くそ生水だったこれそういえば」


 

哲夫

スラガラ

KK

夏草

オフィユカス

田んぼマン

合計

61

55

70

60

67

45

34

75

467

 

〇オチが一番面白かったです。なるほど、ここで効いてくるんですね。5人の配役がわかりやすく内容が頭に入ってきやすかったです。
ただ全体を通して笑いどころが少なく感じてしまいました。廊下で一条さんを囲んで土下座とか面白かったのですが

軒並み面白いというよりかは和やかな雰囲気を多く感じ取りました。
重箱の隅をつつくアレなんですが、名参謀だからこそ自軍の戦闘員の強さを冷静に分析できるのでは?と思いました。
弱さを認めて強くなる姿勢が涙をさそいました。さそいませんでした。

〇・好きなフレーズ
・この合コンをしっちゃかめっちゃかにしてやろうと画策していてな……
・あなたってそういう立場の人なんすか?
・イー、イイー、イー、イー(アタシらだってショッカー語なら堪能なのにな)


戦闘服が観ていて恥ずかしいとか洋服のセンスが悪いとかがイメージしづらかったです
最初の展開で敵役の二人がちょっとだけ登場してることで、合コンのくだりでどうしても展開がなんとなーく読めちゃうんですよね
そこのインパクトが薄れちゃうんで、もっとそこで馬鹿馬鹿しくしてほしかったかなー、と
敵側が謝罪するっていうのもなんとなく想定の範囲内でしたし
自己紹介のくだりはテンポよくて良かったと思います
後ボリューム的に物足りなかったのとオチに消化不良感がありました
せっかく長い行数でもいい大会なんで合コンの中身か合コン終了後の反省会とかの別の展開あってもよかったんじゃないでしょうか

〇ほしのさんの良さである、話がすんなりと飲み込めるような文章の構成お見事です。
ただ、その構成の良さが仇となってかコントととしての引っかかりがやや足らないところが惜しいところです。
良くも悪くも、立て板に水というか。
それでも五島博士の突然の英語は声に出して笑ってしまいました。これクラスのボケがもう2,3個あれば85点以上行けたと思います。

〇この企画にふさわしい、丁寧な話の組み立て方だと思いました。
ロングコントでは、よりネタの筋を通すために設定や展開をしっかり固めなければいけない場合が多いと思うんですが、
このネタは一人ひとりの設定や立ち位置がしっかり計算されていて、キャラクターも確立されていたのでその部分では好印象です。
しかし、印象としてはロングコントというよりは俳優女優さん達がやるようなコメディ演劇の印象を受けました。
おそらくボケではなく展開で勝負するネタでしょうが、展開で笑わせるにしては若干弱く感じます。
もう少し振り切れた部分があってもよかったのではないかなと。

〇1組目に相応しい、ロングコントである必然性を満たしており、
さらに5人の登場人物を10行でさらっと認識させる手腕は凄い。
欲を言うならもう少し先の展開も見たかった。一条がモテモテで嫉妬されまくり的な。

〇うーん、展開はいいですけどちょっとボケが弱かったかなあと。
「三田だからサンダー」とかそういうひねったボケを増やすともっといいかもしれますん。

〇めちゃくちゃ合コンに行きたくなりました。5人のキャラが上手に描けているので非常に読みやすかったし完成度が高かったと思います。もっと狂気的に暴れるキャラを出せれば更によかったのかなとは思いますが、LC−杯のトップバッターにふさわしいネタだったと思います

 


 NO.2                   サイクルハンマー

 

「世界の秘境で発見・あんなところに日本人」

レポーター:ついに着きました! 現地の人に聞き込みまくった結果、やっと見つかりましたよ・・・
      あの家が今回訪れる、阿部さんの家です。さっそく声をかけてみますね。

(ガラガラガラ)

レポ:こんにちは〜。

阿部:・・・はい、こんにちは。

レポ:あなたが阿部さんですか?

阿部:はい、そうですけど。

レポ:どうもはじめまして。
   「世界の秘境で発見・あんなところに日本人」のレポーターの、岡という者です。
   さっきまでずっとあなたの家を探してたんですよ! ようやく会えて嬉しい・・・

阿部:・・・何なんで すかこれ ? 世界の秘境で発見?

レポ:はいそうです、私達は日本のテレビ番組の者です。

阿部:いやちょっと待ってください、世界の秘境って・・・ どういうことですか?

レポ:どういうことも何も、そういうことですよ。

阿部:ここ、どこだか分かってます?

レポ:分かってるに決まってるじゃないですか!

阿部:・・・・・・ここ、群馬県。

レポ:そうですよね、グンマーですよね!

阿部:群馬は秘境じゃないだろ! だいだいここは同じ日本じゃないか、
   なんで世界の秘境で日本人を探すとかいう番組で同じ日本の群馬県に来てしまうんだ!?

レポ:いやグンマーは世界的に秘境として名高いですって、今や有名ですよ!

阿 部:世界的ってのは一部ネットの世界だけだろ!

レポ:ちなみに番組の方は全くご存知ないですか? まぁ知らなくて当然ですよね。
   日本の方では、テレビ浅井で毎週金曜夜9時から放送している番組なんですが・・・

阿部:まずテレビ浅井ってのがどこの地方局なのかも知らないし、
   とにかくワケ分からんのでもう帰って下さい。忙しいので。

レポ:いやそんなこと言わないで下さいって、
   この地で阿部さんが活躍する姿を見たい視聴者もたくさんいるんですよ。
   スタジオの司会のケン・グリフィー・ジュニアさんもきっと見たがってますよ。

阿部:なんで元メジャーリーガーが司会をやってるんだ!? 
   せめて千原ジュニアを司会に しろよ、とにかくもう帰ってください!

レポ:そこを何とかお願いします、5分だけでも取材に応じて頂けないでしょうか!?
   ギャラは出しますから。後ろの番組スタッフさん達も、
   ただいま手持ちのお札を必死にかき集めているところですので・・・

阿部:金で釣るつもりか!? そんな必死になってるのか・・・

レポ:取材に応じて頂けないでしょうか?

阿部:・・・分かりましたよ、5分だけですよ。

レポ:ありがとうございます! では家の中におじゃまさせて頂きますね。

(家の中に入る)

レポ:いや〜それにしても疲れましたよ、東京を飛び立ってから約20時間、
   やっとこの秘境の地に着いたわけですからね・・・


阿部:そんなにかかるわけないだろ・・・上越新幹線なら東京まで1時間だし。

レポ:えっ、新幹線なんてそんな近代的なものがあるんですか!? 
   ここまで長い時間をかけて、路線バスを乗り継いて来たんですが・・・

阿部:なぜ電車を使わないんだ。

レポ:途中何時間も待たされて、さらに路線が途切れてもうダメだと思った時は
   現地のコミュニティバスに救われたりして、何とかここまで来ましたよ。

阿部:明らかに別の局の番組が混ざってるよな! もはやバス旅の番組じゃないか。

レポ:途中クマガーヤという所で路線が途切れた時は、異国の地でこのまま立往生することになるのかと・・・

阿部:熊谷は埼玉だな、群馬に続いて 彩の国さいたまも異国の地扱いか。

レポ:まぁとにかく着いて良かった。ではまず質問させて頂きますが、
   阿部さんはなぜこのグンマーの地に住もうと思ったんですか?

阿部:全くもう・・・ 住もうと思ったも何も、ここが地元だから。

レポ:えっ、そうだったんですか・・・ お父さんが戦争でこの地に取り残されて、
   そこで現地の人と結婚してその間に生まれた子ってことですか?

阿部:全然違うから! 戦争とか全く関係ないし。

レポ:でもグンマーで長らく政情不安が続いた時は、お父さんと一緒に日本に帰りたいと思ったんじゃないですか?
   ついに独裁政権が崩壊して、アウンサンスーチーさんが国のリーダーになったようですが・・ ・

阿部:それミャンマーだろ! グンマーとミャンマーをごっちゃにするな!

レポ:えっ、違ったんですか!? グンマーは女性が権力を握っている、世界でも珍しい国だと聞いたんですが・・・

阿部:確かに「かかあ天下とからっ風」という言葉はあるけどな!

レポ:じゃ次の質問ですが、阿部さんはこの地でどんな仕事をしているのですか? 

阿部:職業ですか、サラリーマンですよ。

レポ:やはり会社の方では、貧しいグンマーの子供たちの支援活動をしているんですか?

阿部:別に子供たちは貧しくないし! 群馬をバカにし過ぎだ!

レポ:でも実際ここに来る前も、マラリアで倒れてた子供を救急車に乗せるのを手伝ってきたんですけどね。

阿部:群馬でマラリアとか聞いたことないし、それ何かの間違いだ。

レポ:そうですか? この灼熱の地で生きる人々の苦労をまざまざと感じさせられましたが・・・

阿部:確かに館林とか伊勢崎とか夏はよく気温39度位になるけどな!

レポ:こんな過酷な環境の下でよく暮らせますね。

阿部:夏の間だけだから大丈夫ですよ。

レポ:やはりグンマーの人たちは、暑さに強くなるために独自の進化を遂げたのですか? 体から冷気を発したりとか・・・

阿部:どこの霊だ!? そんなバケモノなんて見たことも無いし。

レポ:いや先ほども見ましたよ。
   冷気を発しながら、店の冷蔵庫から出てくる人を見つけたときはさすがグンマーならで はの光景だなと・・・

阿部:それ群馬とは関係ないから! 今流行りの悪質なイタズラだからやめさせろ!

レポ:そうだったんですか? てっきり冷蔵庫に入ってそこで冷気を蓄える文化があるものだと・・・

阿部:あるわけないって・・・

レポ:ところで阿部さんは子供の頃からグンマーで育ったそうですが、日本に帰ったことってないんですか?

阿部:だから群馬も日本だと言ってるだろ! 

レポ:日本に親戚の人とかいますよね? どこに住んでたりします?

阿部:一応親戚なら東京の方にもいるけど。

レポ:いつ会いました?

阿部:いとこが結婚するってことで1ヶ月ほど前に式場で会ったばかりだけど。

レポ:異国の地の生 活はさぞ親戚の皆さんにも心配かけてるでしょうね・・・

阿部:どうしてもそういうことにしたいのか。

レポ:この前も日本のニュースでは、グンマーの麻薬栽培の組織についてのことが流れてましたし・・・

阿部:それも絶対何かの間違いだろ・・・

レポ:いや放送されてたんですよ! 何やら「シモニタネギ」とかいう名前の麻薬が紹介されていたんですよ。

阿部:それただのネギだから! 
   てかネギといったら薬味の王様じゃないか、さっきのニュースって薬味と麻薬をごっちゃにしてるだろ!

レポ:ともかく親戚の人からは、グンマーから日本に帰って来いとか言われないんですか?

阿部:言われないし。だいたい群馬と東京ってそんな遠く ないし。

レポ:やっぱり東京の人たちに会って話とかをすると、日本人とグンマー人との文化の違いに驚いたりしますか?

阿部:別にそんなの無いから・・・

レポ:たとえば挨拶をする時は、日本人は自分の頭を下げるのに対して、
   グンマー人は相手のお尻を触ると聞いたことがあるんですが本当ですか?

阿部:そんなわけないだろ! どこの部族の風習だか知らないけど聞いたことも無いし!

レポ:でも見たことあるんですよ。
   この前、日本の埼京線の電車内にてグンマー人が捕まっていたのはその文化の違いからなんだろうなと・・・

阿部:そこは痴漢日本一の路線だけどそれを群馬の風習のせいにするな!

レポ:でも埼京線って実際、 異国から来た人がたくさん乗ってるんですよ、もはや異国民専用列車だなと。

阿部:彩の国さいたまも異国ではないから!

レポ:ともかくお尻を触られることについては気を付けないといけないですね。

阿部:勝手に気を付けておけばいいんじゃない?

レポ:あと、別れの挨拶をする時は、日本人は手を振るのに対して、
   グンマー人は自分の胸をドコドコと叩いた後に自分のお尻を掻くと聞いたことがあるんですが本当ですか?

阿部:もはやそれゴリラじゃないか! 人間ですらないってどこまでヒドい扱いだ!

レポ:でも見たことあるんですよ。
   この前、日本のグンマー人が飲食店での帰り際にご飯を詰まらせ自分の胸をドコドコと叩いていましたし。

阿部:・・ ・もうそろそろ帰って下さい。5分経ちましたよね。

レポ:ごめんなさい、決して怒らせるつもりは無かったんです! もう少し話をお願いできないでしょうか!?

阿部:分かったから帰って下さい、私もご飯を食べる時間ですから。

レポ:いやそんなこと言わないで下さいって、
   阿部さんの話は視聴者ももっとたくさん聞きたがってますよ。
   スタジオの司会のラミレス・ジュニアさんもきっと聞きたがってますよ。

阿部:ラミレスジュニアってヤクルトに入ってすぐクビになった選手じゃないか!
   そんな人がケン・グリフィー・ジュニアと一緒に司会やってるとかなんちゅう番組だ!?

レポ:ともかくお願いします、あと5分だけでも取材に応じ て頂けないでしょうか!?
   ギャラは追加しますから。後ろの番組スタッフさん達も、
   かき集めた札束であなたのほっぺたをペンペンする準備をしているところですので・・・

阿部:やることがゲスいな! なぜそこまで露骨なことをしてまで取材したいんだ!?

レポ:ほら、お札ですよ。お札って暖かいですよ。

阿部:どこまで拝金主義なんだ! 森は暖かいなら聞いたことあるがお札が暖かいは聞いたことないし。

レポ:取材に応じて頂けないでしょうか?

阿部:・・・分かりましたよ、あと5分だけですよ。

レポ:ありがとうございます!
   では、せっかくご飯を食べるということであればそのご飯も見せて頂けないでしょうか?

阿部:そんなの見てどうするんですか・・・ 

レポ:グンマーでの食生活ってやっぱり気になるじゃないですか。今日は何を食べるんですか?

阿部:今日はスーパーで買ってきたトンカツを食べますよ。

レポ:マジですか!? グンマーにそんな贅沢な食べ物があったとは・・・

阿部:・・・もう今更もいいとこだが、こんな番組を放送したらテレビ浅井に群馬県民からの苦情が殺到するぞ。

レポ:てっきりグンマーのご飯といったらコンニャクぐらいしか食べられないものかと・・・

阿部:確かに名物だけど! 主食がコンニャクだとかそんなわけないから!

レポ:でもコンニャクぐらいしか食べられないせいで痩せ細っていくグンマー人女性の姿は

   ここに来る前にも見ましたよ。貧困って怖いなぁと・・・

阿部:それコンニャクダイエットをやってる女性だろ! 貧しさのせいじゃないから!

レポ:・・・あれ、外の方から何か物々しい音が聞こえてきたような?

阿部:えっ、何の音だ?

(ゴロゴロゴロゴローーーッ!)

レポ:なんだこれは、ゲリラ攻撃か!?

阿部:違う、雷だから! 群馬は雷が多いんですよ。

レポ:スタッフの皆さん、早く手持ちの防弾チョッキとヘルメットを!

阿部:わざわざそんなものまで持ってきてたのか・・・

レポ:そりゃ政情不安定な国に行くならば当然ですよ、
   この前もグンマーでは観光客が武装ゲリラに長ネギで頭を殴られて亡くなった事件が発生したらしいですし・・・

阿部:そんな事件聞いたこともないから! てか群馬の長ネギはそこまで鋼鉄級に固くもないし!

レポ:グンマーの武装組織は何をしてくるか分からないぞ、
   長ネギ攻撃もあれば、相手の喉にこんにゃくゼリーを詰め込む攻撃もしてくるらしい・・・

阿部:だからそんな攻撃も聞いたことがない!

レポ:ともかく私達のような外国の取材班はゲリラ組織にとっては格好のカモだぞ、
   もし見つかったら手持ちの長ネギと一緒に食べられてしまう!

阿部:もはや人食い人種扱いか・・・ そんな部族は群馬のどこにもいないから。

レポ:ゲリラにとってはことわざ通りに、ネギの前にカモがやってきた状態だ。

阿部:それを言うなら「鴨がネギしょってやってきた」だ。

レポ:もし家に入ってきたらどうすればいいだろう、
   とりあえず我々を食べないで下さいとお願いすれば命までは取られずに済むだろうか?

阿部:勝手に命乞いでもしておけよ。

レポ:何とか友好の証として、ゲリラ組織の隊員達のお尻を触る体勢をとっておかなくては・・・

阿部:だからそんな風習は無いと言ってるだろ! こんなことしらむしろ逆効果だ!

レポ:そして自分のお尻をカユイカユイするための木の枝も探しておかなくては・・・

阿部:それも失笑を買うだけだ!

(ピカッ)

レポ:何か光ったぞ!

(ドカーーーーーン!)

レポ:ついにゲリラ組織が爆弾を落とした!

阿部:雷が落ちた音だから! 別に雷は珍しくもないし。

レポ:いやこれは反政府ゲリラによる爆弾攻撃だ、最近のゲリラ組織はトチギー軍から支援を受けたことでより強力になったらしいし・・・

阿部:またワケの分からんのが出てきた、トチギー軍って何だ!?

レポ:あなたグンマーに住んでいながら知らないんですか? 現在グンマーは隣国のトチギーを併合しようとしていることを。

阿部:それは「ぐんまのやぼう」とかいうゲーム内だけの話だろ! 日本中を群馬にするというゲームの話だ。

レポ:でもグンマー政府関係者の主張によると、トチギー政府はグンマーとの併合についての
   条約のハンコを押したと言ってるのをニュースで見ましたよ。

阿部:はいはい、どこのゲーム内のニュースだ?

レポ:トチギー政府関係者に、宅急便を装いハンコを押させたと・・・

阿部:そんな手段が通用するわけないだろ。

レポ:グンマー人は秘境民なだけに、卑怯な手を使ったわけですね。

阿部:別にうまいこと言わなくていいから!

(ピカッ)

レポ:そんなこと言ってたらまた空が光った!

(ドカーーーン!!ゴロゴロゴロ・・)

レポ:(スタッフと会話) そうですか・・・分かりました。

阿部:何を話してるんだ?

レポ:どうやら爆撃が激しくなってきたようなので、取材を断念して撤退するということで・・・

阿部:やっと取材終了ですか。とりあえずスタッフさん、約束通りギャラはちゃんと払って下さいよ。

レポ:ではお元気で・・・くれぐれもグンマーでの生活には気をつけて下さいよ。

阿部:はいはい。

レポ:何だか別れるのが惜しいですね。ちょっと泣けてきた・・・

阿部:そこまで大げさなものでもないだろ・・・ 東京から群馬までそんな距離離れてないし。

レポ:スタッフの皆さんにも泣いている人がいますよ。その涙を、手持ちの札束で拭く姿はやっぱり美しいですね・・・

阿部:全然美しくないから! 金まみれ連中の感性はもはや理解できん!

レポ:では涙の染み込んだ札束を置いて、帰ります。取材協力ありがとうございました。

阿部:いろんな意味で汚い札束だけどまぁいいよ、こちらこそお疲れ様。



阿部:ふぅ・・・なんちゅう番組だったんだ。そろそろ夕御飯のトンカツを食べよう。

(ガラガラガラ)

レポ:こんばんは、テレビ浅井「突撃!隣の夕ご飯」のレポーターの、岡という者です!

阿部:もういい加減にしろ!


哲夫

スラガラ

KK

夏草

オフィユカス

田んぼマン

合計

63

20

46

58

68

32

46

55

428(ボ有)

〇ジュニアボケが破壊力があって特に面白かったです。
元ネタ(人)を知らなくても笑えたのでそういうところにワザを感じます。
冷蔵庫など時事ネタもよかったです。

豪雨をゲリラ攻撃にたとえるあたりから失速した印象です。
ちょっと無理矢理感があり面白味もあまり感じられませんでした。

サイクルグンマー。

〇好きなフレーズ
・そこは痴漢日本一の路線だけどそれを群馬の風習のせいにするな!

「グンマー」という蔑称じみたネットスラングが題材なのがなんとなく入りづらかったです
レポーターとのやりとりだけで特に展開も無かったのでただただダラダラ続いてる印象でした
ボケも群馬への間違った認識一辺倒で単調だったかなー、と

〇このコントは群馬絡みのボケがやはり中心だと思うのですが、僕個人としては群馬関係ないボケの方が好きでした。
そして、ちょっと気になったのがツッコミがあっさり過ぎるというか、違和感を感じるというか…。
阿部さんの口調ひとつひとつが微妙に変な気がします。
「ふぅ・・・なんちゅう番組だったんだ。そろそろ夕御飯のトンカツを食べよう。」って、あれだけレポーター失礼だったんだからそんなにすんなりトンカツに気持ち行く…?ってなってしまいました。

〇群馬という要素を存分に生かしたネタでしたが、嵌る部分とそうでない部分の差が激しかったように感じました。
群馬あるあるがしっかり決まっているボケも多く、ラミレスジュニアなどのボケもよかったんですが、
いまいち伝わりきらない群馬ボケもあって、その部分との差が出てしまって言うように思えます。
ツッコミも説明重視になっていて、上手くボケが活きるテンポのいいものになっていないところもあってもったいないです。
アイデアと展開はいいものでしたので、もやもやっとさせない部分が少なくなるようなボケやツッコミの出し方、取捨選択に力を入れるべきネタではないかと思いました。

〇グンマーネタで一作作り上げてしまうとは……
高水準ではあるものの、全体的にボケがベタで弱い。
「自分の胸をドコドコと叩いた後に自分のお尻を掻く」何かは制限のない動きボケだし、
「ゴリラじゃねぇか」ってありきたりなツッコミに繋げるよりはもっとハチャメチャなことした方がいいんじゃないかなと思う。
「かき集めた札束であなたのほっぺたをペンペンする」は良かった。

〇正直言って散々使い古されているグンマーネタで今更ネタを書くのは得策ではないと思いますねえ。
所々唸るボケもあったりするのですが、正直ネットに書き込まれているネタ群の方より振り切れてないものも多かったように思えます。

〇ラミレスジュニアというボケはこのご時世、なかなか見ることはできませんねぇ。素直に爆笑してしまいました
面白い要素はたくさんありましたが、それを上手に表現できてない部分が目に付いてしまった感じです
これを上手に描ければ簡単に決勝なんて行っちゃうんじゃないですかね?


 


 NO.3                    インタープラグ

 

「約束」

(あそこの席にいるのって、ファルコンズの八神選手じゃないか?)
(本当だ!ってことは、向かいの席の人は恋人かしら?)
(今日の試合も大活躍してたのに、出来に納得していなかったみたいだよ?)
(あくなき向上心かしら・・・さすがプロって感じね!)

八神 ・・・すまなかった。

綿谷 ううん。いいのよ。私、野球のことは良く分からないけど、あなたの活躍で試合に勝ったっていうのは伝わったから。

八神 ・・・確かに、今日の俺は4打数3安打3打点、しかも最後のヒットはサヨナラヒットだった。

綿谷 お立ち台に立ったあなたはとても輝いて見えたわ。

八神 ・・・ただ、昨日俺は君とこう約束した。「君のためにホームランを打つ。その時、結婚してくれ!」

綿谷 そ、そうだったかしら?

八神 そうさ。俺は君と出会ってからはこの日のために野球を頑張ってきたと言っても過言ではない。

綿谷 私の事をそんなに思ってくれて嬉しいわ。

八神 ただ、それくらいの気合を入れて臨んだ試合で、俺は約束したホームランを打つことはできなかった。

綿谷 ・・・。

八神 今日の出来はいい方だった。でも、君に対する俺の愛はこんなものじゃない。野球バカの俺が、野球を良く知らない君に愛を届ける方法は・・・やっぱりこれしかないんだ。

(チケットを渡す)

綿谷 明日の試合のチケット?

八神 ・・・この試合で君のためにホームランを打つ。その時は・・・俺と結婚してくれ!

綿谷 ・・・八神さん、私、今日改めて試合を見て、あなたの凄さを分かった気がするわ。そして、野球というスポーツも。

八神 ・・・。

綿谷 野球のことなんてホームランのことしかわからなかったけど、これで見方が変わったわ。明日はヒットでいい!私のために!ヒットを打って!

八神 で、でも・・・。

綿谷 もちろん、ホームランって言うのは野球を知らない人でも分かる凄いプレーだけど、それだけが野球じゃない。チームのために、私のためにヒットを打ってほしい!

八神 何かハードルが下がったけど・・・そんなのお茶の子さいさいさ。











(あそこの席にいるのって、ファルコンズの八神選手じゃないか?)
(本当だ!よくこの店に来るのかしら?)
(今日の試合は酷かったよな。4打席連続で敬遠されるなんてな・・・。)
(試合後に相手ピッチャーに詰め寄ってたよね・・・やっぱり勝負したかったんだろうね。)

八神 ・・・違うんだ。あれは違うんだ。

綿谷 うん、大丈夫。あんまり野球に詳しくないけど、あれは打てないボールばっかり投げられてたってことだよね?

八神 相手の作戦の一つさ。確かに、一打で大量点が入る場面でしか打順が回らなかったタイミングの悪さもあったけど・・・。

綿谷 でも、あの状況じゃあホームランどころかヒットなんて絶対に無理だったわよね・・・。

八神 ・・・すまなかった。俺の愛が強ければ、相手ピッチャーに敬遠なんかさせなかったかもしれないのに。

綿谷 考えすぎだと思う!いくらあなたが私を愛してくれても相手の作戦までは変えられないと思うわ!

八神 しかし・・・このまま敬遠が続くようだと、ホームランどころかバットすら振れない

綿谷 ・・・そういえば、あなたの最大の持ち味はなんと言っても健脚だって野球雑誌に書いてあったわ!

八神 え?あ、ああ・・・確かに俺は塁に出て掻き回すタイプの選手だとは思うけど・・・。

綿谷 そうよ!あなたはパワータイプの選手じゃない!ガメラというより鈴木って言う評価が載っていたわ!

八神 ・・・多分それゴジラというよりイチローだと思うわ。やっぱり野球の知識は薄いのな。

綿谷 私は・・・あなたが人から評価されている部分をもっと知りたいと思っているわ。

八神 ・・・分かった。

(チケットを渡す)

綿谷 ・・・明日の試合のチケット?

八神 明日の試合、君のために盗塁を決める。その時は・・・結婚してくれ!

綿谷 ・・・なんだか盗み成功したら結婚するみたいな感じになっちゃったわね・・・?

八神 う・・・まあ、ここは君の心を盗んだということで一つ・・・。

綿谷 ははは・・・。









(あそこの席にいるのって、ファルコンズの八神選手じゃないか?)
(本当だ!もはや常連さんね。)
(今日の試合も大活躍してたけど、チームメイトともめていたらしいよ?)
(なんでもサインの行き違いが合ったらしいわね・・・。)

八神 真鍋のやつ・・・!

綿谷 なんだっけ・・・ランナウェイだっけ?

八神 ヒットエンドランのことかな?うん、俺が怒っているのはヒットエンドランの事だけど。

綿谷 盗塁を仕掛けたタイミングで次のバッターの真鍋選手がいいヒットを打っちゃったわね。

八神 監督の指示は確かに盗塁だったのに・・・タイミングは完ぺきだったのに・・・。

綿谷 うん・・・まあ、真鍋選手に対する怒りも分かるけど、私、他に言いたいことがあるのよね。

八神 え?

綿谷 ・・・なんで今日の試合ホームラン打つの?

八神 ・・・うん。いい球が来たから。

綿谷 この間の試合でやってほしかった!何て皮肉な結末!野球を知らない私でも「凄い当たり」って言うの分かったわよ!

八神 運命のいたずらとはこのことだな。

綿谷 いい当たりだったわー!スタンド2階席に突っ込んだもの!私への愛は全くこもっていないボールだったけど!

八神 俺だってこの間約束した時に打ちたかったわ!っていうか昨日の時点でホームランの約束をしておけばよかった!

綿谷 タイミング悪すぎる!っていうか、ここまでちぐはぐな有言実行も珍しいわ!

八神 くっそぉ!ホームランを打ったら盗塁すら決まらない!

綿谷 盗塁できる条件にないものね。

八神 やりようが無いとはこのことだ・・・。

綿谷 ・・・あの、もう試合の出来とかにこだわらないでいいんじゃない?もう私もそろそろこの焦らしが辛くなってきているわ。

八神 ま、まってくれ!じゃあ今度は!塁に出たら!ヒットでも四球でも振り逃げでも何でもいいから塁に出たら僕と結婚してくれ!!

(チケットを渡す)

綿谷 どんどん地味というか・・・スケールの小さい要求になっているわね・・・。












(あそこの席にいるのって、ファルコンズの八神選手じゃないか?)
(本当だ!大丈夫かしら?)
(今日の試合で頭部死球を受けて病院送りになったはずなのに・・・。)
(・・・向かいに座っている彼女さんも心配しているでしょうね・・・。)

綿谷 知ってた。

八神 何を!?病院送りを!?

綿谷 いや、そこまでは分からなかったけど、パターンとして出塁できないものだって思ってたわよ。

八神 いや、頭部デッドボール受けたらそりゃあ病院送りもなるって!

綿谷 デッドボール受けた時に出塁すると思って「やった!」って思ったんだけどね。

八神 怖っ!!仮にも恋人が150キロくらいの硬球を頭に受けてるんだから少しは心配してくれよ!!

綿谷 あなたも私の事本気だったら、いい加減約束を果たしてほしいわ!

八神 そ、それは・・・。

綿谷 それからもう一つ皮肉なのは、その後真鍋選手が大活躍していた事だわ!

八神 はい!?

綿谷 あなたが病院に運ばれている間に、真鍋選手はホームラン、ヒット、盗塁全部決めたのよ!?あなたが出来なかった事を全て!

八神 いや、それは俺のせいじゃねえだろ!?

綿谷 そんなことない!試合後のヒーローインタビューで「病院に行った八神さんのためにも絶対やってやるって決めていました」って言ってたもの!

八神 知らなかった・・・真鍋のやつ、そんなこと言ってたのか。

綿谷 あなたが死球を食らわなければあんなに活躍しなかったの!

八神 ・・・この間の腹いせに試合前あいつのスパイクにロージンバッグを入れたの謝らなきゃな。

綿谷 陰湿!通りで試合中真鍋選手が走るたびに白い足跡が付くわけだ!

八神 それにしても、この間あれだけ叱責したのに、俺のためにやってやるだなんて・・・真鍋もいいやつだな。

綿谷 私にとっては憎悪の対象でしかなくなってるわ!もう真鍋選手と結婚すればいいんじゃない!?

八神 なんでそうなる!?で、でも、大丈夫だ!MRI検査を受けた結果、脳に異常はなかった!

綿谷 現状あなたの愛情は異常の二文字が似合うわ。

八神 次の試合には出られる!だから・・・何かある?

綿谷 ・・・え!?私が約束の条件決めるの!?

八神 試合には出れるとはいえ、多分万全じゃないから何かこう、ホームランよりもちょっとゆるめな条件だと助かるんだよな。

綿谷 カッコ悪・・・じゃあ、野球って守備も重要なポイントだから、今度の試合でダブルプレーを決めたら結婚してくれって言って。

八神 分かった!明日の試合で、ダブルプレーを決めたら結婚してくれ!

(チケットを渡す)

綿谷 まんま言うのね・・・。









(あ、八神選手だ。)
(またいるわよ。)
(何でも、チームメイトとの確執が発覚したらしいよ?)
(・・・向かいの彼女さんとも険悪な感じに見えるけど。)

八神 三輪投手、パーフェクトゲーム達成おめでとう!ってバカ!

綿谷 何そのノリツッコミ!?

八神 ダブルプレーのダの字も無かったじゃねえか!相手チーム27人のバッターで終わったし!

綿谷 そうね。

八神 何でそんな条件で結婚の条件を申し込んでくるかね!?

綿谷 え!?私のせいなの!?

八神 俺の力でどうにもできないような事を要求してくるなよ!!

綿谷 この間は「俺の愛が強ければ、相手ピッチャーに敬遠なんかさせなかったかもしれないのに。」って言ってたくせに。

八神 俺はショート守ってたのに、1球もボールが飛んでこなかったぞ!

綿谷 私に言われても!それこそどうにもできないって!って言うか試合後に三輪選手をみんなで祝福してたのに何であんなに眼飛ばすのよ!?

八神 そりゃああいつがランナーを一人も出さなかったせいで俺の結婚は流れてったわ!

綿谷 じゃあどうしたらいいのよ!?もう自分で考えなさいよ!

八神 じゃあ次の試合!この次の試合には出場するから!その時は結婚してくれ!!

(チケットを2枚渡す)

綿谷 本当に最低限の仕事しかしていないじゃない!

八神 しょうがないだろ!うすうす気づいているけど、俺もこの程度の要求じゃないともはや結婚できないって気づいているよ!

綿谷 完全にプライドを捨て去ったわね・・・っていうか、2枚目はその次の試合のやつじゃない!次で決める気ゼロか!

八神 愛のためなら、俺は自分の誇りなんて捨てて見せるさ。

綿谷 ほんの数日前にホームランを打つって約束した人と同じ口で・・・。









(・・・僕と、結婚してください!!)
(・・・はい!私でよければ・・・!)

八神 俺は前世で何か悪事を働いたんだろうか・・・?

綿谷 私はそういうの分からないけど、この一連の流れを見ているとそれもあながち間違いじゃないように思えるわ。

八神 ・・・もの凄い風雨だな・・・。

綿谷 何でも、今世紀最大規模の台風らしいわよ。

八神 何でこのタイミングで来るのかねえ・・・。

綿谷 今日もものすごい風の中私をこのレストランに呼ぶとかどうかしているわ。

八神 よく来てくれたな、うん。

綿谷 何が怖いって、この店が平気で営業しているのと、他にもお客さんがいるってことね。

八神 全世界が総力を挙げて俺と君の結婚を阻止しようとしているとしか思えない。

綿谷 私も正直、ここまで来たら結婚願望も薄れてきたわ。

八神 な!?

綿谷 だって、ホームランも、ヒットも、盗塁も、出塁も、守備も・・・挙句の果てに出場すらできない野球選手だなんて、今後私を養えると思えないわ。

八神 それ言っちゃう!?ていうか、その言い方大分語弊があるよ!?俺この6試合で相当活躍しているぜ!?いや、最後は試合が流れたから5試合だけど!

綿谷 あぁ〜もうやだこの野球バカ本当に嫌だ・・・よく一緒になる向こうのテーブルのカップルに先を越されたし!

八神 俺も今となっては最初のホームランの約束が馬鹿馬鹿しく思えるわ。

綿谷 今だから言うけど、2回目のホームランの約束をしようとしたときも、「絶対に打てない」って思ったからヒットに引き下げたんだけどね。

八神 2日目から気を使われてた!!

綿谷 もっと言えば、「君の心を盗んだ」発言の時点でだいぶ冷めてたけどね。

八神 それを引っ張り出すか!確かに心の底からの苦笑いが見て取れたけど!

綿谷 なんかもう、あなたから負のオーラがにじみ出ているもの。

八神 失礼な!この5試合はすべて勝ってるんだぞ!

綿谷 もしくは、チームがあなたの正のオーラをすべて吸収しているかのような・・・。

八神 そんなオーラの泉みたいな話されてもねえ。

綿谷 多分、この後「送りバントを決める」って言ったら、あなたの前にランナーはいないだろうし、。

八神 何その予言!?そんでちょっと野球に詳しくなってるじゃん!

綿谷 最初にホームラン打ってくれてたらこんなに詳しくなってないわよ!

八神 じゃあ分かったよ!野球と関係ない約束をすりゃあいいんだろ!?明日は試合ないし!

綿谷 って言うか約束なしにプロポーズをするって言う発想はないの!?

八神 今更後には引けん!

綿谷 引け!ものすごい勢いで後退しろ!その頑なな意思に私はドン引きしてるけど!

八神 昔、浅いセンターフライだったのに、タッチアップで本塁に突入を試みた時も監督に同じ事を言われたなあ。

綿谷 何一つ学習してない!野球バカって言うかただのバカだよ!

八神 じゃあ、明日6時に起きるかから結婚してくれ!

綿谷 関係なさすぎ!そしてその約束をしたらあなたの家の目覚まし時計が故障するわ!

八神 何の前触れもなく!?

綿谷 もしくは電池が切れてベルは鳴らないわ!

八神 じゃあ、明日の朝食にいつもと違ってパンを食べるから結婚してくれ!

綿谷 ヤマザキパンをはじめとするパン屋がすべて倒産する!

八神 そんなことないと思うぞ!?

綿谷 いや、今のあなたのオーラならそれを可能にするわ!

八神 じゃあ、明日いつもより長い15キロのジョギングをするから結婚してくれ!

綿谷 世界の長さの基準が変わる!

八神 俺の約束でそんなことになるの!?

綿谷 多分重さの基準も変わるわ!

八神 じゃあ、レンタルビデオ屋でDVD借りて観るから結婚してくれ!

綿谷 ディスクが入ってない状態でレンタルされる!

八神 やっぱり俺のせいじゃねえ!!

綿谷 多分借りられても再生できないと思う!

八神 じゃあ、田舎のおふくろに電話するから結婚してくれ!

綿谷 お母様がお父様になるからダメ!

八神 何で性転換するんだよ!

綿谷 あなたが約束するからよ!

八神 じゃあ、明日は俺が生きてたら結婚してくれ!

綿谷 死ぬ!って言うかむしろ死ね!

八神 それはおかしくない!?

綿谷 もうこうなったら死ね!

八神 じゃあ、地球が回っていたら結婚してくれ!

綿谷 世界の終わりぃい!!!もう嫌!こうなったら野球からんでいた方がいい!最悪野球のくくりで頼む!

八神 あー言えばこういう・・・お前何なんだよ・・・じゃあ!このプレー!分かりやすいように野球の本も持ってきたから!ほら!











(あそこの席にいるのって、ファルコンズの八神選手じゃないか?)
(本当だ!ってことは、向かいの席の人は恋人かしら?)
(今日の試合隠し玉を決めるなんてすごいよな!)
(でも、同時に隠し子が発覚するなんてね・・・。)

八神 宣言通り隠し玉を決めたぜ!



綿谷 ゲームセット!!

 


NO.4                    ガンバラナイズ

 

「最後」

小村:く、熊!!熊だぁ!!あぁ!!五竹!!

五竹:ぐふはぁぁぁ!!!

小村:ご、五竹ぇぇぇ!!



−1分後−



小村:はぁ・・・運良く熊はどっか行ったけど・・・

五竹:・・・ぐっ・・・ふっ・・・

小村:五竹・・・

五竹:・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・
   ・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:そんな・・・

五竹:・・・母さんや父さんに・・・仲間の皆に・・・ミユキに・・・よろしく伝えといてくれ・・・

小村:・・・

五竹:・・・(そっと目を閉じる)

小村:五竹・・・五竹ぇぇぇ!!!



−1分後−



五竹:・・・ぐっ・・・

小村:!?

五竹:・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・

小村:・・・?

五竹:・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:・・・??




−30分後−



五竹:・・・ぐっ・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・
   ・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:・・・

五竹:最後に

小村:あのさ・・・ちょっといい?

五竹:何・・・だよ・・・こんな・・・時に・・・

小村:・・・長いよね!?

五竹:・・・はぁ・・・?

小村:いや、もうすぐ死ぬって言ってんのに・・・長いよね!?というか1回死んだっぽい雰囲気醸し出したよね!?

五竹:お前・・・俺に死んで・・・ほしいの・・・か・・・?

小村:いや、そうじゃないけどね!?熊に思いっきり体引き裂かれてさ、もうすぐ死ぬとか言ってる訳じゃん!?
   俺もそういう事態を受け入れるべく心の準備する訳じゃん!?でもお前全然死なねえじゃん!?
   俺そんな長いことそのテンションでいられねえんだわ!

五竹:とにかく・・・今回のは・・・マジだ・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:本当だな!?




−1時間後−



五竹:・・・ぐっ・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・

小村:もうお前全然死なねえな!?

五竹:・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:それ何回言うんだよ!?お前ことごとく自分の最期感じ取れてねえよ!?
   とりあえず山小屋に避難だ・・・





−次の日の朝−



五竹:・・・おはよう、小村。
   ・・・ぐっ・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・
   ・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:相変わらず生きてんな!?状態そのままに相変わらず生きてんな!?
   朝起きて人が死んでた方が怖いはずなのに、生きてることがこんなに怖いとはなぁ!?




−1時間後−



小村:く、熊!!熊だぁ!!あぁ!!五竹!!

五竹:ぐふはぁぁぁ!!!

小村:ご、五竹ぇぇぇ!!



−1分後−



小村:はぁ・・・はぁ・・・また運良く熊はどっか行ったけど・・・

五竹:・・・ぐっ・・・ふっ・・・

小村:五竹・・・

五竹:・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・
   ・・・今度こそ本当に・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:・・・

五竹:・・・母さんや父さんに・・・仲間の皆に・・・ミユキに・・・よろしく伝えといてくれ・・・

小村:・・・

五竹:・・・(そっと目を閉じる)

小村:五竹・・・五竹ぇ!



−5分後−



五竹:・・・ぐっ・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・

小村:・・・やっぱりだよ!1回目があったから心なしかお前が目閉じた時のリアクション薄くなっちゃったけど、やっぱり死んでねえじゃねえか!

五竹:・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:いやもう逆に死んでくれよ!死に際の粘りが強すぎてそれが逆に怖い!




−1時間後−



五竹:・・・ぐっ・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・
   ・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:お前もう死なねえだろ!?熊に会心の二撃喰らっといて、一撃目で死にかけながらもう一撃喰らってんのに、それで死なねえってお前もう死なねえよ!




−1時間後−



小村:く、熊!!熊だぁ!!あぁ!!五竹!!

五竹:ぐふはぁぁぁ!!!

小村:ご、五竹ぇぇぇ!!



−1分後−



小村:はぁ・・・はぁ・・・三度運良く熊はどっか行ったな・・・

五竹:・・・ぐっ・・・ふっ・・・

小村:・・・

五竹:・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・
   ・・・今度こそ・・・今度こそ本当に・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:・・・

五竹:・・・母さんや父さんに・・・仲間の皆に・・・ミユキに・・・よろしく伝えといてくれ・・・

小村:・・・

五竹:・・・(そっと目を閉じる)

小村:・・・



−1分後−



五竹:・・・ぐっ・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・

小村:ほら!やっぱ死なねえ!

五竹:・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:もうすぐっていつだよ!?俺における「もうすぐ」はとっく過ぎ去ってしまったよ!?





−次の日の朝−



五竹:・・・おはよう、小村。
   ・・・ぐっ・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・
   ・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:いやもう何でずーっと瀕死だよ!?治る方向か死ぬ方向かどっちかに歩み寄れ!




−5時間後−



(小村、五竹を担いで歩きながら携帯を取り出している)

五竹:・・・ぐっ・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・

小村:あ!電波入ってる!

五竹:・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:よし、救助呼ぼう!





−次の日−



小村:見舞に来たぞー。

五竹:・・・ぐっ・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・

小村:あれ!?なんで状態そのままなの!?なんで死にそうなままなの!?

五竹:・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:手術とかしてねえの!?

五竹:・・・手術は・・・失敗した・・・

小村:まさかの失敗!?そして失敗したにも関わらずなお生きてんのな!?

五竹:・・・母さんや父さんに・・・仲間の皆に・・・ミユキに・・・よろしく伝えといてくれ・・・

小村:いや、よろしく伝えなくても直接会えよ!お前死なねえから! というか家族見舞来てたろ!?






−次の日−



五竹:・・・ぐっ・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・

小村:退院おめでとう。

五竹:・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:医者もおもいっきり首かしげてたけど、「まあ死なないんじゃない?」って言ってたしな。瀕死なのに1日で退院とはよかったな。

五竹:・・・母さんや父さんに・・・仲間の皆に・・・ミユキに・・・よろしく伝えといてくれ・・・

小村:今から家帰って伝えろや!もしくは今すぐ電話ででも伝えろや!





−次の日−



五竹:・・・ぐっ・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・

小村:遊びに来た訳だけども、お前ずっとそんな感じで暮らしてるの?

五竹:・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:まあ死なないとは言え、ずっとそんな感じなの?



−10分後−



小村:うわっ、マリオカート負けた!

五竹:・・・ぐっ・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・

小村:こんな死にかけてんのにむっちゃドリフト使った巧みな走行見せやがった!

五竹:・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:こんな死にかけてんのに緑甲羅でむっちゃ的確に狙ってきやがった!

五竹:・・・く・・・そ・・・死ぬ前に・・・献血に・・・行きたかった・・・

小村:いや急に何!? その瀕死状態でよく献血行きたいと思えるな!?というかお前ならその状態で献血行っても死なない気がするよ!





−次の日−



五竹:・・・ぐっ・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・

小村:よっ!また遊びに来た訳だけども、相変わらずだな。

五竹:・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:もう献血行ってとどめ刺されて来いや!

五竹:献血は・・・断られた・・・

小村:行ったには行ったんだ!? まあそりゃあ断られるわな!




−1時間後−



小村:く、熊!!熊だぁ!!あぁ!!五竹!!

五竹:ぐふはぁぁぁ!!!

小村:ご、五竹ぇぇぇ!!



−1分後−



小村:はぁ・・・熊はどっか行ったなぁ・・・よかったよかった・・・

五竹:・・・ぐっ・・・ふっ・・・

小村:というかそもそも何で熊が部屋にやってくるんだよ!?街中の1軒の1室によ!?

五竹:・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・

小村:そして見事に五竹にだけ一撃喰らわせてったな・・・

五竹:・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:多分大丈夫だと思うけど。

五竹:・・・母さんや父さんに・・・仲間の皆に・・・ミユキに・・・よろしく伝えといてくれ・・・

小村:はいはい。

五竹:・・・(そっと目を閉じる)

小村:・・・



−5分後−



小村:五竹ぇ!!五竹ぇぇぇ!!!
   ・・・おい、嘘だろ!?今回だって何故か無事でいるはずなんだろ!?なぁ!!目を覚ましてくれよ五竹!!



−5分後−



五竹:・・・ぐっ・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・

小村:しれっと目を覚ましやがった。

五竹:・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:うーん、やっぱ目を覚ましたらそれはそれで釈然としないわ・・・ずーっとだけど、なんで生きてんだよ・・・




−1時間後−



小村:く、熊!!熊だぁ!!あぁ!!五竹!!

五竹:ぐふはぁぁぁ!!!

小村:ご、五竹ぇぇぇ!!

五竹:ぐふはぁぁぁ!!!

小村:ご、五竹ぇぇぇ!!

五竹:ぐふはぁぁぁ!!!

小村:ご、五竹ぇぇぇ!!

五竹:ぐふはぁぁぁ!!!

小村:ご、五竹ぇぇぇ!!

五竹:ぐふはぁぁぁぁぁ!!!!!

小村:ご、五竹ぇぇぇぇぇ!!!!!



−5分後−



小村:はぁ・・・熊はどっか行ったなぁ・・・よかったよかった・・・

五竹:・・・ぐっ・・・ふっ・・・

小村:怒涛の5連撃だったな。

五竹:・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・

小村:この家、というかこの街どうなってんだよ。

五竹:・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:さすがにあんだけ引き裂かれてるとちょっと心配かも・・・

五竹:・・・(そっと目を閉じる)

小村:・・・おい・・・大丈夫・・・だよな・・・?



−5分後−



五竹:あっ、俺ここまでかも・・・

小村:5連撃喰らっといてさっきより元気になってんじゃねえか!?

五竹:俺多分もうすぐ死ぬわ・・・

小村:もうお前絶対死なねえわ!!







−そして数日後−



(お葬式)

小村:五竹・・・まさかお前が階段から転げ落ちて死んじゃうなんてな・・・
   そりゃあ信じられねえよなぁ・・・熊に9撃喰らいながら生きてたお前が階段で死ぬなんてよ・・・



−5分後−



小村:く、熊!!熊だぁ!! 葬儀場に熊が来やがった!!
   あぁ!!熊が五竹のお棺を開けて中身を・・・引き裂いたぁ!!?



−5分後−



五竹:・・・ぐっ・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・

小村:いや、なんで生き返ってんだよ!?熊に体引き裂かれることによって生き返るってどうなってんだよ!?

五竹:・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・

小村:前状態に関わらず熊に引き裂かれたら瀕死状態になるお前の体質どうなってんだよ・・・

五竹:・・・母さんや父さんに・・・仲間の皆に・・・ミユキに・・・よろしく伝えといてくれ・・・

小村:お前の葬式だから皆いるわ!というかお前が蘇生したから逆に皆キラキラした目で見てるわ!

五竹:・・・葬式とか・・・面倒だと思うから・・・やんなくてもいいよって・・・伝えといて・・・

小村:いや、何も面倒なくできるよ!?何故なら既にお前の葬式やってたから!!
   お前が死に次第できるけど、多分お前、死なねえんだろうなぁ!!?










−そして長い年月が過ぎて−



(五竹、お墓の前で脇腹を押さえている)

五竹:・・・ぐっ・・・どうやら俺は・・・ここまでのようだ・・・
   ・・・俺は・・・もうすぐ・・・死ぬ・・・
   ・・・小村・・・お前が死んでもう・・・10年か・・・
   ・・・俺も・・・もうすぐ・・・そっ・・・ち・・・に・・・・・・行・・・・・・・・・あ、治った。

小村(幽霊姿):いや、なんでそこで治るの!!!!?

 


NO.5                    レイニースターライト

 

「END OF THE ROAD」

勇者:見付けたぞ魔王!!

魔王:フッフッフ……。よくここまで来たな……。だがお前はここで死ぬのだ!

勇者:うるさいっ!俺は貴様を倒して姫様を取り戻すんだっ!!

姫様:勇者様!!

勇者:おおっ!姫様!よく無事で!

姫様:魔王に攫われてから早3年……。わたくしは片時も貴方の事を忘れた事はありません!

勇者:姫様……!!

魔王:感動の再開って奴か?フン!残念だが今生の別れになるぞ!ハッハッハッハッハッハ!!

勇者:黙れ魔王!!余計なお喋りはここまでだ!!

魔王:それはこっちの台詞よ!!小童が…!後悔しても知らぬぞ!

勇者:喰らええええええええぇぇぇぇ!!(剣を振りかざす)


ゆうしゃの こうげき !!
かいしんの いちげき !!
まおうに 99999の ダメージ !!


 ま お う は た お れ た !!


魔王:グハァッ……!!ま、まさかこのワシがこんな小童にやられるとはッ……。

勇者:…………………………

姫様:勇者様!!勇者様!!(勇者に駆け寄る)

勇者:…………………………

姫様:勇者様……、とうとうこの忌まわしき魔王をやっつけたのですね!やりましたわね!

勇者:…………………………

姫様:魔王がいなくなりこれでわたくしは晴れて自由の身!そしてこの国にも平和が訪れるのですね!

勇者:(マジかよって表情)

姫様:でもその前にわたくしと熱いベーゼなどを……///やだ、わたくしったら………///

勇者:………………違う。

姫様:何が違うんですの?何も違う事はありません!さあベーゼを!!

勇者:…………こんなの俺が求めていた魔王との戦いと全然違う!!

姫様:えぇ!?魔王を倒して、国は平和になって、わたくしは勇者様と結ばれる。これで良いじゃありませんの!?

勇者:まあ最終的にはそれが正しいんだけど!でも何だろう張り合いが全然無かったんだよ!!

姫様:張り合いって言われましても……。そんな事よりベーゼを!!

勇者:俺さ、魔王を倒しお前を救う為に三年間、一生懸命剣の修行をこなしてここまで来たんだよ。

姫様:ですね。あの太刀の振る舞いから相当辛い修業をこなしたんだと思いますわ。さあ三年も待ち焦がれてたんですベーゼを!!

勇者:けどさ、そんな俺の修行も一蹴する位魔王って強いワケじゃん?

   そりゃあもう、俺の一閃がさ「フン!こんなの痛くも痒くもない」的な事を言われるんじゃないかと思ってたんだよ。

姫様:そんなセオリーは存じませんわ!

勇者:  な  の  に  何  で  あ  っ  さ  り  倒  れ  る  ん  だ  よ  !  ?

姫様:そんなの知りませんわ!寧ろ勇者様が魔王を一撃で倒せる程強くなったと喜ぶべきシーンではありませんの!?そしてわたくしと結ばれるから尚更では無くて!?

勇者:いやあ………、でも違うんだよなあ。俺一発目全然本気出して無かったし。

姫様:何故ですの!?

勇者:様子見だよ、様子見。まず適当にダメージ与えて相手の出方を窺おうと思ったのに。

姫様:そんな必要全くありませんわ!下手したら貴方もわたくしも死ぬ所でしたわ!

勇者:そんでそこから激しく長く苦しい戦いを経て何とか倒してお前を救おうと思ったのによ。

姫様:何か憎むべき敵なのにそれで倒された魔王が哀れでなりませんわ…………。

勇者:だけどな、装備は全く手を抜いてないぜ?伝説の剣に幻の鎧、古からの盾に心臓部分にはペンダント。

姫様:準備万端ですわね……。

勇者:俺のバッグ見ろよ。沢山の回復薬が入ってるだろ?この日の為に色々稼いで買ったのに!!

姫様:まあ用心に越したことはありませんからね。

勇者:そんで、二年位は「姫様の為に俺はここで死ぬわけには行かねえんだっ!!」ってパワーアップする修行も怠らなかった。

姫様:普通に剣の修業をこなして欲しかったですわ!と云うかその修行してる暇あったなら二年前に来れたのではなくて!?

勇者:自信が無かったから、あくる日もあくる日も俺は剣を振り回し魔物を倒してパワーアップする修行をこなした。

姫様:寧ろそんな事してるからこんな結末になったのではなくて!?まあこれで良いんですけども!!

   ハッ!忘れてました!熱いベーゼ!!ベーゼを下さいまし!!

勇者:(姫様を通り過ぎて倒れてる魔王の傍に立つ)

姫様:な、何を……?

勇者:(魔王を肩を叩いて)オイ、起きろ。

姫様:ちょ、ちょっと……、勇者様……!? 54

魔王:(へんじがない ただのしかばねのようだ)

勇者:(魔王の頬を思いっ切り平手打ち)起きろーーーーー!!!!

魔王:ハッ……!!(目が醒める)

姫様: ! ? 

魔王:ワ、ワシは一体何を……!?死んだ先代の魔王が三途の川で手を振っておったわ……。

姫様:意識が戻ってしまいましたわ!?何て事を!!

勇者:起きたようだな魔王。

魔王:そ、そうだ……、ワシは勇者に一撃で倒されて気絶しておった……!!何たる不覚ッ……!!

勇者:立て。

魔王:!?

姫様:ゆ、勇者様……、ま、まさか……!?

勇者:もう一度戦うぞ。立てや。

魔王:…………貴様、正気か?

勇者:勿論だ。

姫様:本当にもう一度戦う気ですの!?先程のは会心の一撃があったから倒せたワケであって、二度目は通用しないかもしれませんわ!

勇者:姫様、何度も言わせるな。俺はコイツを目覚めさせて敢えて自分をピンチに追い込み、そして死ぬ間際のギリギリの状態で倒す!

魔王:フッ……、面白い。予め言っておくがワシに同じ様な攻撃が通用する思うなよ。

姫様:反撃する暇も無く一撃で倒されたクセに偉そうですわね。やっぱりおよしになったら……?

勇者:姫様、男にはやぱねばならぬ時があるんだ。そう、それは今……!!

魔王:フン。大口を叩くのは此処までだ。さあ来いっ!!

勇者:…………(剣を振りかざす)


ゆうしゃの こうげき !!
まおうに 5000の ダメージ!!


 ま お う は た お れ た !!


勇者:……………………

魔王:グ、グハッ………!!ま、まさかこんな小童に二度もやられるとはッ…………!!がくっ

勇者:(「えーっ……」って表情)

姫様:や、やりましたわね!勇者様!!二度も魔王を倒すとは思いませんでしたわ!!さあ今度こそわたくしに熱いベーゼを!!

勇者:こんなん違うわああああ!!!!!!

姫様:えーっ……。またですの……?またお預けですの…?

勇者:さっきと違って全然手応え無かったのに何で倒れるんだ!?反撃のチャンスあったやろ!?

姫様:そんな物は無くて良いと思いますわ!そんな事よりもさあ待ち焦がれてるベーゼを!!

勇者:クッソウ……。どけ!!(姫様を押し退け魔王に近寄る)

姫様:キャッ!ちょ、まさか……!?

勇者:起きろおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!(倒れてる魔王を思いっ切り揺さぶって)

姫様:もう止めて下さいまし!!そいつのHPはもうゼロですのよ!

魔王:うわっ!!あ〜、びっくりした。鎌持ったガイコツに連れられそうになったわ。マジビビったわ。

姫様:魔王のクセに骸骨如きに何故ビビってるんですの……?……いや、それよりもまた目覚めてしまいましたわ!!悪夢アゲインですわーー!!

勇者:立てやコラ。

魔王:まさか二度も一撃でやられるとは何たる不覚っ……!!今度こそは……!!

勇者:それで良い。それで良いんだ!さあ俺の滾る血を満たしてくれよ!!さあ!!

姫様:もう言っている事がおかしいですわ!!魔王の三度目の正直だってあり得るんですのよ!?

勇者:大丈夫だ。俺は自分の力を、姫様や国の皆や道中でいなくなった仲間たちを信じてる。だから負ける気はしないっ!!

姫様:そこで信じられても嬉しくも何ともありませんわ!と云うかそんな事ばっかり言ってるから仲間がいなくなったのでは無くて!?

勇者:そして、魔王の中に眠る無限の力を信じてる。

姫様:敵の僅かな良心とかなら分かりますがそこは信じちゃダメな部分ですわよ!!

魔王:フッフッフ!そうだワシは魔界最強の魔王なのだ!!

勇者:そうだっ!!その意気だ!!

魔王:そういや今までは不意を突かれて倒されたが今度はワシから行くぞ!!

   セイヤッ!!(指から光線が出る)

姫様:言ってる事はアレですが結構正面から堂々と攻めてましたわよ。しかしコレはマズいかも……。 


まおうの こうげき!!
しかし まぼろしの よろいの おかげで ダメージが なかった!!


勇者:…………(グーパンチ)


ゆうしゃの はんげき!!
まおうに 1000の ダメージ!!


 ま お う は た お れ た !!


魔王:嘘やん……。ガクッ。

姫様:グーであっさり倒れましたわー!あんだけ最強発言していたくせに!

勇者:まだまだだあ!!起きろおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉおぉぉおおぉ!!!!(倒れている魔王の脇腹を思いっ切り蹴る)

姫様:段々起こし方が荒っぽくなってますわ!!もうそのままトドメを刺したら宜しいのに。

魔王:(のたうちまわってる ただのしかばねのようだ)

勇者:クッソー!!起きろっつってんだろうがあああああああぁぁぁぁぁぁ!!!(何度も何度も往復ビンタ)

姫様:完全に目的を見失ってますわね!あのー、いい加減ベーゼを……。

魔王:(へんじがない ただのしかばねのようだ)

勇者:クソウ!!そうだ!!

   オラア!!食らえっ!!(ポケットから薬草を取り出し魔王の口に捻じ込む)

姫様: ! ! ! ?

魔王:ピャッ!!(目が覚める)うわっ、地獄を見たぞ!あ〜、怖かったあ……。

姫様:三度生き返ってしまいましたわーーーー!!そんでもって此処魔王の城も相当の地獄ですわ。

勇者:オウ、起きたか?じゃ立て。

魔王:えーん!!また生き返ってしまったー!!このまま死なせて欲しかったー!!もうやだよお!!

姫様:キャラが崩壊してしまいましたわ!?でも同情する気は全く無いけれども。

勇者:泣くんじゃない!!オラ、掛かってこいや。

魔王:わーん!どうせ攻撃とか効かないで一発でやられるんだー!!流石にもう分かるよー!!

勇者:てかお前さ、変身出来ないの?何か倒したと思ったらパワーアップして復活するみたいなそれ。

魔王:そんなの……、出来ないもん……。(ぐすんぐすん)

勇者:お前本当に魔王かよ!!このヘタレがっ!!

魔王:うわーん!!そんな事言ったってえ!!アレはアレで完璧だって思ってたから……。

姫様:三年間ずっと一緒に過ごしてきましたがこの変貌ぶりにはヒきますわ。どう見ても筋肉ムキムキのクソジジイですもの。

勇者:じゃあさ、お前以外に仲間とかいないの?真のボス的な。

魔王:そんなのいないもん……。だってワシが魔界の中で一番最強だし、仲間はみんな勇者がやっつけたじゃん……。(ぐすっ…)

勇者:それでか!?魔界ってのも大した事ねえなあ!!

魔王:わーん!!ワシだけじゃなくて魔界全体をバカにしたーー!!うわーん!!

勇者:それじゃさ、お前を倒したら城が崩れたり炎に包まれるみたいな仕掛けとか無いの?それで譲歩してやる。

姫様:何を提案なさってますの!?どんだけピンチに陥りたいんですの!?マゾなんですの!?

魔王:そんなの無いもん。一流建築士の先生が防震・防火・防塵対策をキチンとしてくれたから……。

姫様:魔王の城の造りのカッチリさ!

魔王:それに仮に負けて崩れちゃったら息子達に遺せる物が何も無くなっちゃうもん……。

姫様:いやもう判定でボロ負けてますわ。魔王のクセに何遺産相続なんて考えてるんですの。

勇者:クソウ!アレも駄目、コレも駄目って何なんだよ!?魔王どころかどんな仕事にも就けねえぞこのザコがっ!!

魔王:えーん!!!

姫様:面接官みたいな罵り方っ!もう魔王は倒したも同然なんですからいい加減早くベーゼを……。

勇者:いや、ダメだ。このままでは俺の気が済まない。ベーゼもビールも汗水流して味わった方が美味い。そうだろ?

姫様:庶民みたいな事を言われても納得できませんわ!そして汗水流した方がって、ここまで全然汗水流してないって……。

魔王:もうやだよお。いっその事苦しまずに殺してくれよお……。

勇者:駄目だ。お前には俺を一旦ピンチに陥らせてから起死回生でやられる義務がある。

魔王:ひいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃ!!!

姫様:もう勇者様の発言のアレがバーサーカー並みに狂ってますわ……。マゾの皮を被ったサドなんだか、サドの皮を被ったマゾなんだか分かりませんわ……。

勇者:しかしこのままだとまた同じ事を繰り返しだ。だからハンデを付けてやろう。

姫様:ハンデとかどうでも良いから早くベーゼしてくれれば良いんですのよ。

勇者:俺はこの幻の鎧を脱いでパンイチの状態で戦うぞ。そして攻撃はデコピンのみだ!

姫様:それは流石にマズいのでは無くて……?しかし勇者様の体逞しいですわ///

勇者:そのデコピンだがな、利き手じゃない方でやってやるよ。どうだ?

魔王:もう一声!

姫様:コイツも何言ってますの!?さっさと諦めて死んだら宜しいですわもう。

勇者:じゃあ片足ケンケンしながらやってやるよ。利き足じゃない方でな!!

魔王:ハッハッハ!!良かろう良かろう!!その勝負受けて立とうじゃねえか!!

姫様:俄然元気になってしまいましたわ。腹の立つ事この上なし。

勇者:よっしゃあ!!掛かってきやがれ!!


まおうの こうげき!!
しかし おうけにつたわるぱんつの せいで こうげきがあたらなかった!!


ゆうしゃは かたあしけんけんで たっている!!
じゃっかん フラフラしているが たたかうのに なんの もんだいも なかった!!


まおうの こうげき!!
しかし ゆうしゃの ちくびのけの せいで こうげきがあたらなかった!!


ゆうしゃは かたあしけんけんで たっている!!
じゃっかん フラフラしているが たたかうのに なんの もんだいも なかった!!


まおうの こうげき!!
しかし ゆうしゃの しゅじんこうほせいの せいで こうげきがあたらなかった!!


ゆうしゃの でこぴん (ききてじゃないほうで)!!
まおうに 500のダメージ!!


 ま お う は た お れ た !!


姫様:弱っ!!今更言う必要も無いですが弱っ!!今まで三年間もこんなザコに閉じ込められてたわたくしの愚かさを恨みますわ。

魔王:まさかこれ程ハンデを持ったとしても勝てないとはっ……!!悔しいもう起こさないでね……。

勇者:こんなの満足出来るかっ!!魔王っ!!起きろ!!起きやがれっ!!!(ありったけの薬草を口に捻じ込む)

姫様:もう付き合い切れませんわ。ベーゼ熱も完全に醒めましたわ。敵ももう居ないようですし、コレなら一人でも帰れそうですわ……。(魔王の城から立ち去る)


勇者:今度はあぐらかいて胸毛剃って全裸で戦うから起きろおおおおおおおおおおお!!!!

魔王:これでやられたら末代までの恥イイイイイイイ!!!!(舌を噛んで死亡)






勇者:畜生!!!姫様も魔王も居なくなりやがったあああああああ!!!

   クソウ……、俺の滾る血を癒すにはどうしたら良いんだ……!!


その後勇者が王国を襲って、お城に戻った姫様を攫って別の勇者に狙われるのはまた別のお話……。


 

哲夫

スラガラ

KK

夏草

オフィユカス

田んぼマン

合計

25

33

73

70

66

36

67

60

430


〇キャラ崩壊後の魔王の素振りは微笑ましいものの笑いとは捉えられませんでした。
全体の印象としてあっけなく終わってしまった感が強いです。
ボケが、キスを迫る姫・勇者なのにエグい攻め・魔王があっけない、の
3パターンしかなく読み進めるにつれて飽き飽きしました。

RPG風の箇所は変化に富んでいてよかったと思います。
乳首毛の処理はエチケット。

〇好きなフレーズ
・一流建築士の先生が防震・防火・防塵対策をキチンとしてくれたから……。

勇者の言動に共感できるわけでもなく、かといって狂気を感じるほどでもなく
姫君も途中からないがしろにされた感じで、どこに感情を持ってきていいのかちょっと分かんなかったです
後はちょっとボケが単純にハマらなかったかなー
オチは好きです

のたうちまわってるならただのしかばねじゃないんじゃないかなあ

〇なんで姫様はベーゼしたがってんだよ。
この言い方が合ってるかどうか分かりませんが、用意されたハードルをちょうどいい高さで飛び続けているコントでした。
物凄いハイジャンプで越えてるわけでも、ハードルを越えられずつまづいてるわけでも、あえて蹴り飛ばしているわけでもなく。
それはそれで様式美なのですが、もうちょっとどこかに吹っ飛んでるボケがあったら良かったと思います。
「姫様:魔王の城の造りのカッチリさ!」はいいフレーズでした。

〇最初から最後まで綺麗に作られたコントだと思います。構成もしっかりしていますし、魔王のキャラも勇者のキャラも立っていて楽しめました。
ただ、姫様がコント全体を上手く生かしきれていなかったかのように思えます。姫様にもキャラがあるようですし、そこでぶっ飛んだ要素が欲しかったですね。
トリオなどの多人数の場合だと、それぞれが役割を果たせているかが大切なので、そこに気をつけておけばもっとよくなるネタだと思います。

〇勇者ネタには傑作が多いが、まだまだ可能性があると認識させてもらった。
第三者の立場に見せて、徹底的にベーゼを求める姫のキャラも良い。痴女風にすればなお良かった(俺が喜ぶから)
ただやはり「笑い」の観点から見るとボリューム不足なのは否めない。

〇まあコントの設定としてはベタ寄りですよね。
いいのがないというわけではないですが、ボケも弱めでしたしオチもこの手のコントならよくあるものかなと。
あとベーゼってそんなにこのコントで多用する必要のある単語ですかね?
ちょっとしつこさを感じました。

〇どこかで見たような斬新のような。妙にくすぐったいネタでしたが僕は結構好きですし楽しめましたが、

ただ途中からこういう展開になるのかなぁという読みが結構当たっちゃった部分もあったのが残念。読み手側の裏切るような展開がもう少しあればよかったです

 


NO.6                    灯風

 

「娘さんをください」

ナオ:お父さん、初めまして。れなさんとお付き合いをさせてもらっている七島といいます。
   ……単刀直入に言います。お父さん、娘さんを、僕にください!

ゴウ(父):…いいよ。

ナオ:確かに、お父さんが戸惑うのも無理はないと思います。しかし…………えっ?

 父:いいよ。娘。

ナオ:……いいんですか!?

 父:いいよ。

ナオ:いいんですか!?まだ来て1分も経ってないですけど!?

 父:いいよ。

ナオ:…ありがとうございます!!

れな(娘):……ね、言ったでしょ。お父さんなら話を分かってくれるって。

ナオ:あ、ああ、本当にそうだね……

 娘:…そうだ、あのこともお願いしてみたら?

ナオ:あのことって……いや、いくらなんでも無理だよ…。

 娘:大丈夫、お父さんならわかってくれるから。

ナオ:ホントに?……あのお父さん。実は、もう1つお願いしたいことがありまして………
   ……実は僕、先日事業に失敗して多額の借金があるんです…………でも!もう1回起業して、その分を取り戻そうと思ってるんです!
   そこで、その元手となる1000万円を援助していただきたくてですね……

 父:いいよ。

ナオ:いいんですか!?結構な大金ですけど!?

 父:いいよ。……ちなみに、どんな会社なんだ?

ナオ:ええとですね……IT企業「アライブドア」というのを……

 父:…………いいよ。

ナオ:いいんですか!?…自分で言うのもなんですけど、パクリですよ!?

 父:いいよ。

ナオ:なんなら前回、楽天をもじって「バク転」って名前で失敗してますけど!?

 父:いいよ。

ナオ:いいんですね!?もじってとか言っちゃってるけどいいんですね!?

 父:ほれ、小切手だ。

ナオ:うわあ…ありがとうございます!!

 娘:ね、お父さんなら話をわかってくれるって。

ナオ:…わかりすぎだよ。これはもう聖人君子のレベルだよ……ありがたすぎてちょっと怖いもん……

成実(母):あら、貴方が娘とお付き合いしている七島さんね?

 娘:あ、お母さん!

 母:…ふふ、とても誠実そうな青年で安心したわ。娘をこれからもよろしくね。あ、お茶を淹れてきたから、よかったらお召し上がりになって。

ナオ:あ、すみませんありがとうございます……(ずずず)……れなちゃんのお母さん?

 娘:そうだよ。

ナオ:へえ…………(チラッ)お母さん、めちゃめちゃ美人だなあ。しかも優しいし。うわぁいいなあ、僕、年上も大好きなんだよなあ…………
   …………あの、お父さん。

 父:なんだね。

ナオ:あの、もしよかったら………………奥さんも、僕にください!!

 父:……ダメだ!!

ナオ:………………あ、さすがにダメですよね。そうですよね、ごめんなさい……

 父:「奥さん」じゃないだろう!君にとってはもう「お母さん」だろう!!

ナオ:……あ、呼び方の問題!?そこですか!?じゃあ…………お母さんを、僕にください!!

 父:いいよ。

ナオ:いいんですか!?呼び方一つでもういいんですか!?

 父:いいよ。

ナオ:ありがとうございます!!うわぁ言ってみるもんだな……

(母、ナオの横に移動)

ナオ:お母さん来てくれるんだ。……それにしても、お父さんいいなぁ、なんでもくれるなあ……そうだ。そしたら、あの、そこにある高そうな壺とか……

 父:いいよ。

ナオ:そこの立派な掛け軸……

 父:いいよ。

ナオ:いっそこの家の土地全部……

 父:いいよ。

ナオ:いいんですか!?ホントにいいんですか!?

 父:……金の延べ棒。(机の下から金の延べ棒を取り出す)

ナオ:……いいんですか!?え、もう自分から差し出してきた!?

 父:いいよ。

ナオ:いいんですね!?土地も、いいんですね!?ここにさっきのヘンテコな会社建てますよ!?あ、自分でヘンテコって言っちゃった。

ロボ:ウイーン ウイーン

ナオ:……ん?

 父:七島くん。これはな、実は、私が作ったロボットなんだ。

ロボ:Que rabia! Mierda! Demino!!

 父:ただ、スペイン語で罵倒してくるだけのロボットなんだがな。

ナオ:……はあ。

 父:しかし、スペックは高性能でな、動きはもう人間そのもの、音声認識や画像認識能力にも優れており、超高温・超低温・かなりの衝撃にも耐えられる。

ロボ:Que rabia! Mierda! Demino!!

 父:スペイン語で罵倒してくるだけのロボットだがな。

ナオ:……はあ。

 父:………………君にやろう。

ナオ:……えぇ何かよくわかんないの貰ったー!?これに関してはなに、すごいやつなのすごくないやつなの!?

(ロボ、ナオの後ろに来る)

ナオ:うわあ来た。…………大所帯だな。

ロボ:Vete la Mierda!!

ナオ:罵倒された…………いいや、これは後でパーツごとで金物屋とかに売ろう……
   (湯のみに手をつける)……あ、なくなってたんだった。
   あの、お茶のおかわりを頂いても……

 父:ダメだ!!

ナオ:ええええええええ!?

 父:ダメだー!!ダメだー!!ダメだー!!

ナオ:ええ!?お茶はダメなの!?あんだけいろいろくれたのに!?

 父:全く、なんて図々しい奴だ!!……やっぱりお前には、娘はやらん!!

ナオ:ええええええええ!?

(娘、父の側に移動)

ナオ:あっ、れな!行くなよおい!?

 父:それから1000万も妻も金の延べ棒も土地も、全部没収じゃこの!!

(母、父の側に移動 金の延べ棒もひとりでに父の方へ移動)

ナオ:え、え、ちょっと!?あ、お母さんも!!……ええっ、積み立てたもの一気に失った……そして、ロボは残るのかよー!?一番処理に困るんだけど……

ロボ:Que' bestia!!

ナオ:罵倒された…………え、どうしよう…………とりあえず、もう一回言ってみるか。
   ……お父さん。娘さんを、僕にください!

 父:いいよ。

ナオ:いいんですね!?没収しといてあっさりいいんですね!?

(娘、ナオの側に行く)

ナオ:おお、お帰り、れな。よしじゃあ…お父さん。1000万円を僕にください。

 父:いいよ。

ナオ:お母さんを僕にください!!

 父:いいよ。

(母、ナオの側に移動する)

ナオ:高そうな壺を僕にください!!

 父:いいよ。

ナオ:立派な掛け軸を僕にください!!

 父:いいよ。

ナオ:ここの土地全部僕にください!!

 父:いいよ。

ナオ:金の延べ棒僕にください!!

 父:いいよ。

ナオ:ついでに100カラットのダイヤも僕にください!!

 父:いいよ。(ダイヤを渡す)

ナオ:いいんですね!?いいんですね!?うわ簡単にさっき以上に積み立った!!
   (湯のみに手を付ける)あっお茶おかわりもらえないんだった…………どうしようかな……
   ……あ、あのお母さん。

 母:どうしました?

ナオ:お茶のおかわりを頂いても……

 母:ダメだ!!

ナオ:ええええええええ!?やっぱダメー!?……この家お茶に関して厳しい!!

 母:ダメだー!!ダメだー!!ダメだー!!

(娘、父の方に戻る)

ナオ:あっ、れな待って……

 母:(ナオを蹴る)

ナオ:うぐっ!

(母、父の側に戻る)

ナオ:なんで蹴られたの……で、なんでみんな戻っちゃうの…………

ロボ:Hijo de puta!!

ナオ:罵倒された……

 父:さあ、七島くん。…………次は、なにが欲しいのかね…?

ナオ:……ゲームだ。これはゲームだ……!!1個も選択を間違えられない…………どうしよう、ちょっと、考える時間をください……

 父:ダメだ!!

ナオ:えええええええ!?考える時間もダメー!?

(父、ナオのネクタイを引きちぎる)

ナオ:ぐっ!……ええ、マイナスもあるのかよ……どうすれば……
   ……よしここは直感を信じていこう。お父さん。…………お母さんを、僕にください!!

 父:いいよ。

ナオ:いいんですね!?明らかに1個目じゃないやつ持ってきたけどいいんですね!?

(母、ナオの方へ行く)

ナオ:お母さんもいいんですね!?…うわー楽しくなってきた。次どれいこうかな……

ロボ:(母に向かって)Que' bestia!!

 母:罵倒された……

(母、父の方へ戻る)

ナオ:ええええええええ!?罵倒されて帰っていったー!?……あぁもう1回だ!お母さんを僕にください!!

 父:いいよ。

ロボ:Que' bestia!!

 母:罵倒された……(やっぱり戻る)

ナオ:娘さんをください!!

 父:いいよ。

(娘、男の方に行こうとする)

ロボ:Que' bestia!!

 娘:罵倒された……(やっぱり戻る)

ナオ:うわー!!全然お母さん達もらえない!!

ロボ:Que rabia! Mierda! Demino!!Que rabia! Mierda! Demino!!……

ナオ:くそう、罵倒バリアーを張られてしまった…………コイツ、なんとかならねえのかクソッ!(ガンガン!!)

ロボ:(ぷしゅぅぅぅぅ)…………。

ナオ:…あれ?叩いたら壊れたかな……

ロボ:…………キユーピー。キユーピー。キユーピー。

ナオ:…なんかモードが変わった!?なんでキューピーの正式な社名を言い続けてるかわかんないけど……
   ……よしでもこれで罵倒もなくなったし、いけるぞ!お父さん。お母さんを、僕にください!

 父:いいよ。

(母、ナオの側に移動)

ナオ:1000万円を、僕にください!

 父:いいよ。(小切手を渡す)

ナオ:金の延べ棒を僕にください!!

 父:いいよ。(金の延べ棒を渡す)

ナオ:あとは…………ああもうめんどくさい!……お父さん、お父さんの持ってるもの、全部ください!!

 父:いいよ。

ナオ:いいんですね!?いいんですね!?…やった、完全勝利だ!!

 父:ハッ!!(手をナオの方に向けて)

ナオ:ん?(肩を気にしたあと、腕をあげてみようとする)……うわ、四十肩持ちだ。

 父:はははは、君の勝ちだな。肩の荷が降りたよ。……ところで、私は家を失ってしまったので、君の家に泊めてもらえないだろうか。

 母:それ、土地を全部あげちゃったからでしょ!

 父:そういえばそうか!

ナオ・父・母:あはははは!!

ロボ:キユーピー。キヤノン。キヤノン。キヤノン……

(ナオ・父・母、談笑しながら出て行く。ロボもついていく)







 娘:…………って私だけもらわれないんかーい!!!いい加減にしろ!!!

ロボ:(戻ってきて)Hijo de puta!!

 娘:罵倒された…………