第3回 LC-杯 Eブロック  


エントリーNO.25 枇杷畑

「自殺をしようとする君へ」

 

佐伯:ここから飛び降りれば楽になれるんだ...
真村:待てっ、話を、話を聞かせてほしい
佐伯:ふんっ、誰だか知らないけど通りすがりやつがかっこつけで自殺を止めるつもりか?
真村:いや、そういうわけじゃない。あと宗教の勧誘でもない
佐伯:だったらなんだってんだよ、宗教の勧誘だとは思ってねえよ
真村:信じてくれ...宗教の勧誘ではない
佐伯:わかったよ、何ためてるんだよ
真村:俺は、ただ話を聞きたいだけなんだ
佐伯:は?
真村:いや、ただ話を聞いて、それを酒の肴にでもしよっかなって思っただけなんだ
佐伯:ん?どういうこと?
真村:だから、こういう自殺をしようとしている人に目一杯話をしてもらって、それを肴に酒を飲みたい。それだけ
佐伯:じゃあ何、止める気はないのか?
真村:うん
佐伯:なんだこいつ!
真村:ぐへへへ
佐伯:ぐへへへじゃねえよ、気持ち悪い
真村:話を...
佐伯:怖えよ、マジで言ってるの?なんでそんなこと言えちゃうの?俺、死のうとしてるんだよ?
真村:いや、でも死ぬ決意した人はなかなか止められないし、だったら話を聞こうかなって。俺絶望の話とか大好きだし
佐伯:急に真面目かよ
真村:でもそうじゃん
佐伯:そうかもしれないけど
真村:だろ?
佐伯:はあ、最悪だよ、もう萎えたわ
真村:じゃあ何?死なないの?
佐伯:いや、そうと決まったわけじゃないけど
真村:じゃあ話を聞かせてくれ
佐伯:なんだよもー、こいつ嫌いだよー
(プシュ)
佐伯:おい、何で酒を開けちゃってるんだよ
真村:いや、もうそろそろいいかなって
佐伯:よくねえよ
真村:さあ早く、死ぬきっかけの話を。気が抜けちゃう前に
佐伯:呑む気マンマンじゃねえか
真村:ほら、早く
佐伯:イヤだよ
真村:なんでだよ
佐伯:お前に話しても何も起きない気がする
真村:それは違うぞ、死ぬ前に全部話しちゃえばスッキリした気持ちで天国に行ける
佐伯:お前は地獄だけどな
真村:そうそうそう、俺は今までの行いが悪いから地獄行きってコラー!
佐伯:ノリツッコミするなよ。てかテンション高いな、一杯やってきたんじゃねえの?
真村:んなわけねえだろ
佐伯:だよな
真村:これからだよ
佐伯:ふざけるなよ!なんだ、死んでほしいのか?
真村:死んでほしいわけじゃないけど、お前が死にたかったんだろ?
佐伯:まあな
真村:だったら初対面の俺に止める権利はないなって
佐伯:うーん、そうかもな
真村:だからさ、お互いが気持ちよくなるために話そうよ
佐伯:じゃあ、わかったよ。実はな、オヤジが借金残して逃げちゃったんだよ。っていうのも
真村:グビ
佐伯:ちょっと待った!今飲んだだろ?せめて話終わってからにしてくれ
真村:すまない、結構すぐいい場面がきたから
佐伯:いい場面とか言うなよ、で続けるぞ。借金残して逃げっちゃったんだけど、ていうのも新しく女ができたみたいでさ。そいつに貢ぎに貢いだみたいなんだよ
真村:なるほど、もう飲んでいいか?
佐伯:なんなんだお前と水沢アリーは
真村:急にアリーdisるなよ
佐伯:アリーだけで呼ぶなよ
真村:で、飲んでいいの?
佐伯:ああ、もう終わったからな
真村:お前も飲むか?
佐伯:じゃあもらおっかな
真村:ノリノリじゃん
佐伯:うるせえよ。はい、乾杯
真村:その前に飛び降りる格好をやめろよ
佐伯:ああ、そのままだったな。そっち行くわ
真村:あの世か?
佐伯:うるせえ殺すぞ
真村:死のうとした人が殺すって面白いな
佐伯:黙れよ。はい、じゃあ隣にきたところで改めて乾杯
真村:乾杯。いやーまあまあだったよ
佐伯:人が死のうとしたきっかけをまあまあとか言うなよ
真村:でもこの前聞いたのが壮絶だったからさ
佐伯:なんだよ聞かせてくれよ
真村:この前は高校生が学校の屋上から飛び降りようとしてたんだけど
佐伯:え、学校まで行くの?
真村:まあな、自殺を見に行くためには
佐伯:サイコパスだな
真村:そうそうそう、私はサイコパスってコラー!
佐伯:ノリツッコミ下手すぎない?てか下手になってない?
真村:うるせえ、簡単に自分の命を捨てる方がサイコパスだろ
佐伯:ノリツッコミ挟まずに言えばいいセリフだったな
真村:おい、殺すぞ
佐伯:本望だよ
真村:じゃあやめとくわ
佐伯:で、何の話だっけ?
真村:いや、だから高校生が学校の屋上から飛び降りようとしてて、そいつに「なんで死のうと思ったんだ?」って聞いたんだよ。そしたらなんて言ったと思う?
佐伯:なんだろうな、いじめとかか?
真村:まあ、それに近いかな。学校で自殺してないのがそいつだけなんだって
佐伯:どこが近いんだよ
真村:まあ、仲間はずれ的な意味でみんな自殺しちゃったんだって
佐伯:みんな死んだら意味ないだろ
真村:偏差値が高い学校だったからな
佐伯:理由にならねえよ
真村:まあ、でも壮絶だろ?
佐伯:まあな、今まで何人の自殺を見過ごしてきたの?
真村:見過ごすとか言うなよ。まあでも60人くらいかな
佐伯:60人!?大型のバスが満員になるじゃん
真村:なんだそのたとえ
佐伯:でもそれだけ見てきたんならなんか面白い死にたい理由とかなかったの?
真村:今から死のうとしてる人間が面白い死の理由を聞こうとするなよ
佐伯:まあまあ、聞かせてよ
真村:うーん、沢尻エリカがファンレターに返事をくれないから死のうとしてた人はいたね
佐伯:なんだそれ、そもそも期待するなよ
真村:あれはびっくりしたねぇ、そもそも期待するなよって話だよね
佐伯:それ俺が言ったよ
真村:そっかそっか、ごめん
佐伯:でも、それはぶっとんでるな
真村:だろ?他にもDVDを返却せずにTSUTAYAを困らせたいっていうのもいたな
佐伯:そのために死ぬのかよ、この国も終わってんな、他には?
真村:志村けんに会いたかったやつとかね
佐伯:いや、確かに死亡説流れたけど死んでねえだろ
真村:だよな、あとオヤジが借金残して女のとこに行ったって
佐伯:それ俺だから
真村:ああっごめん、死んでお詫びします!
佐伯:それを言うなよ、死のうとしてる人のお詫びに死を使うなよ
真村:で、どうよ?
佐伯:何がだよ
真村:今まで話してて楽しかったんじゃないか?
佐伯:まあな
真村:もうちょっと生きようとか思わなかったか?
佐伯:まあ、ちょっとはな
真村:じゃあ生きてみないか?友達になろうぜ
佐伯:お前、いいとこあんじゃん
真村:だろ?連絡先交換しようぜ
佐伯:...いいよ
真村:よっしゃ、LINEでいいか?
佐伯:ああ、いいけど
真村:オッケー、「自殺失敗」のグループ招待しとくわ
佐伯:失敗って言うなよ、「生存成功」とかにしとけよ
真村:おお、その手があったか
佐伯:てかこのグループ60人もいるじゃん、大型バスだと満員になるぜ
真村:さっきも言ってたな
佐伯:ん?ってことはお前は一人も自殺を見逃さずに来たのか
真村:そうだよ
佐伯:なんだよ、お前いいやつじゃねえか
真村:だろ?だからあれ撤回してくれよ、「お前は地獄行きだけどな」ってやつ
佐伯:ああ、そうだな。お前は天国行きだ、なんなら今から行くか?
真村:そうそうそう、ってコラー!
佐伯:ノリツッコミ手抜きしてんじゃねえよ
真村:ははは、そうだお前にいいもの紹介してやるよ
佐伯:いいもの?
真村:このブレスレットなんだけどさ、これつけたら事故とかで死ぬ可能性が減るんだって
佐伯:へえ、でも高いんじゃねえの?
真村:大丈夫、お前から金はとらねえよ
佐伯:マジか、じゃあもらうわ
真村:ただこの書類だけ書いてもらえる?
佐伯:なにこれ?
真村:これを書けば、お前も立派な「真村幸せラボ」の研究員だ
佐伯:いや結局宗教の勧誘かよ


ジンガー

マグネッツ

スライドGARAS

サイクルハンマー

QQQ

加点・減点

平均点

総合順位

85

40

20

58

30

61

64

20

54.0

24位

・舞台でコントをしてるって感じが群を抜いて強く見えた気がします。
そういう意味での満足度としては一番よかったかなと。
全体的にちょっとした会話みたいな感じ多めに見えるんですけど、
それぞれのキャラ設定が会話中にうまく(且つ自然に)出ていて、退屈せず楽しむことができました。
あとは盛り上がり的に1つガツンとくるところがあればでしょうか。(ジンガー)

・ノリツッコミのくだりとか「自殺失敗」のグループとか好きだし、会話に面白そうな空気は漂っていたのですが、
どうしても水増しのようなボケが多く単調だったかなと思います。
150行使わなくてもできるネタを無理やり150行にしたって感じがしました。(マグネッツ)

・いやあ、波がなかったですねえ…。
何ヵ所かキラっと光るボケはあるんですが(自殺失敗とか)、
ストーリーに起伏が無いのでニヤける・笑うことなくスーっと読み切ってしまいました。
ボケの活かし方をもうちょっと作りこめば2,3つレベルが上がると思います。
オチはキレイですね。(スライドGARAS)

・設定面白いんですけど、ローテンションでやる内容じゃないのかもと思いました。体温の低さで登場人物に移入し辛かったです
ところどころパンチ効いたボケがあるので、ちょこちょこ会話の流れがうまくなったりしたら劇的に面白くなりそうな気がしました
「まあまあだったよ」がめちゃくちゃ面白かったです(、)

・このネタに関しても、150行以上作らなければいけないというルールが壁になったのか、無駄なやりとりが多くてボケの数自体が少なかった印象でした。
これをテンポ良く70行ぐらいにまとめて、残り80行で更なる展開をみせられればもっと面白くなったはず。(サイクルハンマー)

・所々荒削りでしたが設定のチョイスが良い所を突いていて、淡々とした文体と自殺をただ見に来た人の飄々とした感じが合っていて面白かったです。
ただ、台詞回しが淡々としていたがゆえに終盤で「てかこのグループ60人もいるじゃん」「大型バスだと満員になるぜ」の台詞で
『一人も自殺を見逃さずに済んだ』という展開に繋いでしまうのは若干言葉足らずで分かりにくくなっていたように感じました。(QQQ)

・佐伯:なんなんだお前と水沢アリーは
っていう文には破壊力がありましたねぇ
淡々と話が進むので、長い文章の割には山場が作りづらく、盛り上がりにも若干欠けたネタではあったのですが
所々にセンスを見せていて、非常に今後が楽しみだなと思いました(翔)


エントリーNO.26 わーわーズ

「毒キノコ茶番」

宝くじで1等を当てたスズキ。金の無駄遣いが始まる前に高級マンションの最上階を一括で購入し、ある日、友人のタナカを呼んだのだった。

タナカ「いやー、お前、良い家買ったな~!!!!」
スズキ「まぁな。一括で買ったんだ」
タナカ「い…一括で!?」
スズキ「あぁ、大金をそのままにしてるとさ、何に使っちゃうか分からないだろ?」
タナカ「なるほどなー。あっ、靴脱ぐわ」
スズキ「土足だったのかよ」
タナカ「ところでさ、ちゃんと用意してきたか?」
スズキ「あぁ、お前が料理してくれるっていうから、いろいろ買ってきたぞ」
タナカ「いいねー。じゃあ少し待ってろよ」
スズキ「あぁ」
タナカ「よしよし、おっ、いっぱいあるな~」
スズキ「だろ?あるものはなんでも使って良いぞ」
タナカ「そんじゃ、スズキの宝くじ当選を祝して、いっちょ頑張りますか~」
スズキ「お願いするよ」
タナカ「あっ、靴脱ぐわ」
スズキ「土足状態の維持かよ」

二時間後

スズキ「いやー、美味しかったな」
タナカ「それは良かったよ」
スズキ「あっ、そうだ。お前に見せたいものがあるんだよ」
タナカ「おぉ?なになに?」
スズキ「実はさ、先週山に登って、その時に拾った… …あれ?」
タナカ「どうした?」
スズキ「いや、ここにキノコ置いてたはずなんだけど… …」
タナカ「キノコ…あぁ、あの紫色のやつ?」
スズキ「そう、それ」
タナカ「パスタに入れた」
スズキ「えぇえええええええ!!!!????」
タナカ「どうした?」
スズキ「どうしたじゃねぇよ!明らかにヤバイ色してただろ?毒キノコだろあれ!?」
タナカ「そうなの?」
スズキ「いや、確認はしてないけど、絶対そうだって!」
タナカ「… …ハハハ」
スズキ「おい、何笑ってるんだよ」
タナカ「ハッハッハッハッハッハハーハッハッハッハッハ」
スズキ「おい… …まさか… …ワライタケか!?食べたら笑いが止まらなくなるという笑い茸か!?」
タナカ「いや、ツボに入った」
スズキ「俺のせいかよ」
タナカ「いや、でも食べて一時間経ってるだろ?大丈夫だって」
スズキ「そうか?大丈夫か?」
犬「ワンワン」
タナカ「うわああああああ!!!!????」
スズキ「いや、俺のイヌだ」
タナカ「驚かすなよ… …おい、こっち来い。かわいいね~ヨシヨシ」
犬「ワンワン」
タナカ「… …うっ… …」
スズキ「ん?どうした?」
タナカ「あっ… …」
スズキ「おいっ、タナカ… …!!」
タナカ「あぅ…あっ…」
スズキ「キノコか?キノコの毒なのか!?」
タナカ「いや、動物アレルギーなんだ」
スズキ「犬かよ!どけろどけろ!おい投げるな!」
タナカ「アレルギーだって忘れてたわ」
スズキ「マジかよ。いや俺はアレルギー無いから分からないけど、そんなもんなのか」
タナカ「大丈夫だって」
スズキ「… …」
タナカ「… …話題を変えようぜ」
スズキ「… …そ、そうだな」
タナカ「… …」
スズキ「… …この部屋、景色が良いだろ?」
タナカ「本当だな!!!!」
スズキ「ちょっと窓開けてみようぜ!!」
タナカ「よしよし開けろ開け… …うっ… …」
スズキ「おいっ、おいタナカ!!!!」
タナカ「グァアアア… …」
スズキ「キノコか?キノコなのか?」
タナカ「高所恐怖症なんだ」
スズキ「俺のせいかよ!というか、お前の高所恐怖症は『グァアア… …』ってなるの?」
タナカ「そういうタイプなんだ」
スズキ「タイプとかあるんだ」
タナカ「あぁ」
スズキ「… …」
タナカ「… …仕切り直そうぜ!一回乾杯しよう!」
スズキ「… …そうだな。飲み直すか」
タナカ「おっ、これとかうまそうじゃん!飲もうぜ」
スズキ「そうだな、開けろ開けろ。カンパーイ!」
タナカ「乾杯!… …うぅああああああああ!!!!」
スズキ「おいタナカァ!!!!」
タナカ「はぁはぁ… …俺、炭酸だめなんだ」
スズキ「いや炭酸ダメ派かよ。というかお前は炭酸で『うぅああああああああ』ってなるの
かよ」
タナカ「そういうタイプなんだ」
スズキ「同意できるかよ」
タナカ「… …」
スズキ「… …」
タナカ「な、なんかテンション上がらないな… …今日はもう帰るか!」
スズキ「そ、そうか?… …まぁ、また明日来てくれよ」
タナカ「おう」
スズキ「あっ、そこ段差、気をつけろよ」
タナカ「うわっ!」
スズキ「言わんこっちゃない… …おいおい… …大丈夫か?」
タナカ「あぁ… …胃に激痛が走っただけだ」
スズキ「ここに来て修羅場かよ」
タナカ「痛ぇ… …」
スズキ「おい… …大丈夫なのか?」
タナカ「痛ぇ… …うわっ!おぉお?おぅわあ!?」
スズキ「落ちたマリオかよ。救急車呼ぶからな」
タナカ「もう呼んだ」
スズキ「呼んだのかよ」
医者「患者はどこですか?」
スズキ「速すぎるだろ」
医者「あなたですか?」
スズキ「速いだけかよ。こいつだよこいつ」
医者「何があったんです?」
タナカ「段差で転んだら、胃に激痛が… …その前に怪しいキノコも食べてるんです… …」
医者「うーん、段差激痛キノコを食べたか…」
スズキ「『か…』じゃねぇよ」
タナカ「なるほど…」
スズキ「納得するなよ。そんなキノコあるんですか」
医者「ハハハ、無いだろ」
スズキ「本当に速いだけだな」
医者「そのキノコ、どんな感じでした?」
タナカ「えっと…赤くて…白くて…丸くて…」
医者「『1UP』という文字はありました?」
スズキ「マリオかよ」
タナカ「あったような」
スズキ「全肯定かよ。違います。紫色でトゲトゲしてました」
医者「じゃあ分かりませんね」
スズキ「キノコ知識なしかよ」
医者「とにかく、緊急事態ですので、病院へ連れて行きます」
タナカ「救急車ですか?」
医者「いえ、ベンツです」
スズキ「なんでだよ」
タナカ「外車は嫌だ… …」
スズキ「思想が怖いな」
医者「大丈夫です。国産車も停めてあるんで」
スズキ「大富豪かよ」
医者「フォークリフトです」
スズキ「前言撤回だわ。一人乗りじゃねーか」
医者「その点は大丈夫です。危ないので、僕がリフト側に乗ります」
スズキ「危ないのはお前だよ。運転しないのかよ」
タナカ「わかりました。」
スズキ「良いのかよ。お前が運転するんだぞ?」
医者「さぁ行きましょう、どこから出れば良いですか?」
スズキ「どこから入って来たんだよ」
タナカ「玄関なら突き当たりを右です」
スズキ「ここを左だわ。もう喋らないでくれ」
犬「ワンワン」
スズキ「ん?どうした?」
犬「ワン」
スズキ「それは… …キノコ?」
タナカ「ん?お前の言ってたキノコってこれ?」
スズキ「え?これは使ってないの?」
タナカ「… …俺が使ったのはこれじゃないぞ」
スズキ「… …なんだよー!!!」
医者「ほっ!!!!」
スズキ「安堵がでかいわ」
タナカ「いや、待ってくれ。じゃあ、俺の使ってたキノコって… …?」
医者「ゴミ箱に残りとかないですか?」
タナカ「えーと… … … …あっ、コレです」
医者「あっ、これ俺が昨日置いていったやつです」
スズキ「なんでだよ。お前とは後で話があるからな」
医者「食べると無敵になれるんです」
スズキ「小学生かよ」
タナカ「確かに… …そんな気がして来る」
スズキ「さっき炭酸に負けてただろ」
医者「炭酸以外の全部に勝つことができます」
スズキ「弱点がピンポイント」
タナカ「確かに… …そんな気がして来る」
スズキ「うるせぇよ。炭酸以外の全部に勝てる気がするって何だよ。炭酸にも勝てよ」
ピピピッ  ピピピッ
医者「あっ、ポケベルwithフォークリフトだ」
スズキ「J-POPかよ。フォークリフトがどう関与してるんだよ」
医者「とにかく、異常がないんなら帰らせてもらうよ」
スズキ「あっ、ちょっと待って」
医者「うっ… …!!!!」
スズキ「どうしました… …!?」
医者「俺、炭酸ダメなんだ」
スズキ「お前は飲んでないだろ」
医者「炭酸の話だけでもダメなんだ」
タナカ「そっちタイプね」
スズキ「何タイプあるんだよ」
タナカ「2タイプ」
スズキ「終わりかよ」
医者「あっ!」
スズキ「今度は何!?」
医者「靴脱ぐわ」
スズキ「土足祭りかよ」
ー完ー


ジンガー

マグネッツ

スライドGARAS

サイクルハンマー

QQQ

加点・減点

平均点

総合順位

76

61

63

91

25

51

62

20

64.1

19位

・ボリューム的には若干イマイチな感じがしましたが、変にボケ詰め込んであるよりもシンプルで笑いどころが分かりやすく面白かったです。
間間のボケも不意をつくものが多く、ネタ的はにあっさりめに感じた割に非常に楽しめました。
結局胃の激痛はなんだったのかが分からないまま終わってるので、そこも他と同じく理由を付けてほしかったかなと。(ジンガー)

・シンプルですがツッコミのクオリティが高く、安定して笑えました。
本当に速いだけだな、と土足の維持が特に好きです。
宝くじの設定はもう少し活かせたような気がしないでもないです。
また大きな笑いがあったわけでもなく、点数としてはどうしてもこの辺かな、という感じです。(マグネッツ)

・ジャブの連続の中に「思想が怖いな」や「安堵がでかいわ」という尖ったワードが突然出てきて思わず吹きました。ズルいわこれらのワード。
恐ろしくテンポがいいコントで、
作者さんが意識しているかどうかは分かりませんが「ボケ」と「ツッコミ」だけがどんどんバシバシやってくるので、
点数をつける大会多少外しボケがあってもすぐフォロー出来ていてよかったと思います。
(どうしても連続で外し続けると高い点数をつけるのを躊躇いますし)
一ボケ一ツッコミが小さいので笑いの大きさ的に点数としてはこのような感じですが、僕このコント好きでした。(スライドGARAS)

・タイトルに茶番って書いてあるんでボケのくだらなさが受け入れられました。テンポ良く面白かったです
話が進んでないので分量的には物足りない感じもするんですが、笑った密度では一番かもしれないです(、)

・序盤30行ぐらいまでにボケらしいボケが無いというのは残念。前フリだけなら長くても7~8行で終わらせて欲しいですね。
そこから徐々に巻き返していったのは良かったですが、面白くなってきたというところで医者が登場。
この医者がボケという設定がしっくりきませんでした。
こんなにも幼稚なキャラの医者が、途中からボケとツッコミの2人の間に割って入ってくるというのは、あまりにも現実離れし過ぎていて無理がある気が。
トリオコント形式にするなら役割分担はより一層重要なはず。医者がツッコミで、タナカとスズキがWボケという形式で最初から作っていれば違和感は無かったはずです。
もしくは医者がボケならば患者がツッコミという2人形式のコントで最初からネタを作るか・・・
中途半端な形で医者という登場人物を出すぐらいなら、むしろ出さない方が良かったと思いますね。
炭酸の使い方は面白かったです。自分も炭酸は苦手な方なので思わず笑ってしまいました。(サイクルハンマー)

・土足シリーズのツッコミが何か面白かったです。「うわ!おぉお!?おぅわあ!?」こういうボケを不意に入れられると弱いので笑ってしまいました。
こちらも荒削りなんですが所々の掛け合いの面白さに光る物を感じたので、上で述べたように面白かったくだりは凄く面白かったので、
ただ、冒頭のストーリー説明の部分は本編にほとんど絡んで来なかったので削ってしまっても良いような気がしました。(QQQ)

・長文を書き慣れていないなぁという部分が随所に見受けられて、まぁ、そういった部分は
これからどんどんと上達していくと思いますし、見ていてテンポがいいのでスラスラ読むことが出来ました
そういったことって結構大事ですし、伸ばしていってほしい長所だなって思いました
文章の書き方や魅せ方を覚えれば一つコツを掴めばグッと伸びる才能だと思います(翔)


エントリーNO.27 プラネット・コミュニティ

「育成日記」

 

3人:はい、どうも! 私たち「プラネット・コミュニティ」です!

恵子:★座右の銘は「何事も覚悟を決めてケイケンだ!」 渡辺ケイコです★

美鳥:…………キャッチコピーは「幸せはより取りミドリ無限大」南雲ミドリです…………。

千歳:目標は「長生き」森田チトセです!
   星が見える位にキャピキャピ口調の元気娘ケイコ。意味ありげな間をあける不思議娘ミドリ。
   そして比較的まともな私チトセの、女3人でネタをやらせていただきます!

恵子:★誰が喋っているか一目で分かる、まるで三流小説のような手法だねぇ?★

美鳥:…………どちらかと言えば書き手が混乱しないための配慮…………。

千歳:まあそんな事情は置いといて、早速コントを見てもらいましょう! せーのっ!

3人:コント「育成日記」!!



 (20××年 4月某日の早朝)


千歳:僕の名前は森田チトセ。女みたいな名前と女みたいな容姿を秘かに気にしている、平凡な少年だ。
   今日からこの生物化学研究所に勤めることとなり、若さゆえの意欲に熱く燃えている!

美鳥:…………チトセ、誰に向かって喋っているんだ…………?

千歳:おや、耳朶に心地よく響く、この滑らかな旋律のような美しい声の主は女神かな? 
   いや、違った。今、僕に話しかけたのは南雲ミドリさん。僕の直属の上司であり、実は大学時代の先輩で、結構古い付き合いだったりする。

美鳥:…………終わったか…………?

千歳:すみません、もう少し。彼女は腰まで届く黒い長髪が印象的な、怜悧な雰囲気を纏った才媛である。
   さらに絶世の美女と言っても異論は上がらないであろう端正な顔立ちと、成熟した大人の女らしいグラマラスな体型の持ち主だった。
   僕はそんな彼女にずっと憧れている。研究者としても、異性としても。あ、終わりました。

美鳥:…………うむ、ご苦労。さて、それではお前に最初の仕事を与える…………。

千歳:はい! 何なりとお申し付け下さい! と、僕は覇気に満ちた笑顔で、意気揚々と返事をした。

美鳥:…………お前、さっきから心の声が全て駄々漏れだぞ。脳を後で少し検査させてくれ。研究者として非常に興味があるから…………。

千歳:そう言って、ミドリさんは目の前の扉をおもむろに開いた。その部屋の中には何と。

恵子:★うみゅう★

千歳:一人の成人女性が、布団の中で安らかな寝息を立てて眠っていた。驚いたことに、その女性はミドリさんと容姿が全くもって瓜二つなのである。

恵子:★ほにゃあ★

千歳:しかし、似ているとはいえ2人から受ける印象は大分異なる。周囲の人間の魂が凍てつくほど氷のように冷たい雰囲気を醸し出すミドリさんに対し、
   眠っている彼女は柔和であどけない印象を受けた。邪気を感じさせない寝顔は天使を連想させる。ほとんど同じ顔なのにこうも感じが変わるとは少し驚きだ。
   ミドリさんももう少し丸くなればさらにモテるのではないだろうか。何てことを僕は思った。もし聞かれたらただじゃすまないだろうから絶対に言わないけれど。

美鳥:…………忠告痛み入る…………(怒)

千歳:ミドリさん、あの人は貴女の双子の妹さんですか? 随分とそっくりですけど。

美鳥:…………いいや、私に妹はいない…………。

千歳:これはとんだ勘違いをしてしまいました。しかし、全くの見当違いをいう訳でもないでしょう。妹では無いということは双子のお姉さんですね!

美鳥:…………違う。姉でもない…………。

千歳:なんと、流石にそれは予想外でした! 見た目の美しさに惑わされる所でしたよ! あの人は実は男で、双子のお兄さん、もしくは弟さんですね!

美鳥:…………うんにゃ。あいつは、れっきとした女だ。あのナイスバデーが目に入らんか…………。

恵子:★やぁん、らめぇ★

千歳:布団の中の女性が艶めかしい声を上げるとともに寝返りを打って掛布団がはだける。その瞬間、僕の心臓はドクンと跳ね上がった。
   彼女はタンクトップにスパッツという、うら若き女性が人前に出るにはどうかと思うほどラフで刺激的な恰好だったのである。
   上半身を包む、面積が小さくて薄手の頼りない布からは、まろやかな肩に、美しい鎖骨、それにはち切れんばかりの巨乳が半分近くはみ出していた。
   そして腰から下を覆う布は、豊麗な尻のラインをくっきりと浮かび上がらせ、そこから眩しいほどに白く細長い生脚が伸びている。
   豊満でスタイル抜群な美女の露出過度な姿を突然目の当たりにするというのは想像以上に破壊力がある。
   僕は一瞬理性が飛びそうになったのをグッと堪えた。流石はミドリさんの双子の片割れ。お色気が犯罪的にムンムンだ。

美鳥:…………少しの間でいいから黙っていろ童貞少年。そもそも私は双子では無い…………。

千歳:双子では無い、ということは三つ子以上ということですね! 

美鳥:…………私は一人っ子だ。兄弟はいない。ちなみに両親ももういない…………グスン。

千歳:ほ、本当にごめんなさい。ところで、僕に与えて頂ける仕事というのは何なのでしょう。

美鳥:…………ああ。とても重要な仕事だ。お前には、この子の子守りをしてもらいたい…………。

千歳:…………はあ?

美鳥:…………間をあけるな。私のセリフかと思われるだろ…………。

千歳:す、すみません。いえ、そんなことより子守りとはどういうことですか? 彼女は見たところ既に大人の人間ではありませんか。
   勿体ぶってないで、この人の正体を教えて下さい。

美鳥:…………良いだろう。この子の名前はケイコ。私の一本の毛から生み出された人造人間、私と全く同じ遺伝子を持つ、すなわちクローン人間だ。

千歳:クローン? そ、そういえば、この研究所では僅かな細胞から完全体を復活させるという研究が極秘に行われているという話を風の噂で聞いたことがあります!
   それがもう人体実験を行うまでに進んでいるというのですか! 凄いですね!

美鳥:…………残念ながらその研究はまだ成功していない。私が酔った勢いで適当に配合した薬品に、私の毛が混入し、
   たまたま出現したのがケイコという訳なのだ…………。

千歳:それはまたギャグ漫画っぽい無理矢理な設定ですね。それにしてもミドリさん、先ほどから「毛」としか言っておりませんが一体どこの部位の毛なのですか? 
   髪の毛なら髪の毛と言いそうなものですし、もしかして下の、はぉうっ!!

美鳥:…………女上司に堂々とセクハラ発言とはいい度胸だな…………。

千歳:ごめんなさい、ごめんなさい。謝りますから無表情で股間を鷲掴みにするのはやめてくださいっ!

美鳥:…………この男性器をもぎ取って、例の薬品に浸して、お前をもう一人作ってみようか…………。

千歳:もう一人の僕は完全体として復活するかもしれませんが、僕は大事な部分を失うだけじゃないですかぁ!

美鳥:…………男性のシンボルさえなくなれば、お前はその辺の女より女らしい見た目なのだから、堂々と女風呂なんかに忍び込めるだろ。
   いや、でも生殖行為が不可能な身体では欲情しても空しいだけか。それはあまりに可哀想だ。許してやる…………。

千歳:はあ、はあ。許してくれた理由が良く分かりませんがありがとうございます。

恵子:★たぁう、うぅん★

千歳:あ、ケイコさん起きたみたいですよ。それにしても何だか言動が大人らしい見た目とちぐはぐで僕は違和感を覚える。
   意味も無く口から言葉にならない声を漏らしたり、細かく全身をジタバタさせたりして、まるで生まれたばかりの赤ちゃんみたいだ。

美鳥:…………そうだ。ケイコは生まれてから何の知識も身につけていない故に知能は赤子同然。当然一人で生きていく力など無い。
   だが実際問題こうして命が誕生してしまったからには、ないがしろにするわけにはいかんだろ。
   姿形が私と寸分の違いも無い美女なのだから、なおさらな…………。

千歳:自分のクローンのことを美女と言うとは。こういうのを自画自賛というのでしょうか。

美鳥:…………何だ。文句でもあるのか…………?

千歳:滅相もございません。貴女は最高の女性です。

美鳥:…………正面からストレートにそういうことを言うな。照れる。それにケイコは私の遺伝子を受け継いでいる我が子同然の存在だ。
   私も生みの親として責任を取りたいのはやまやまなのだが、あいにく多忙の身でな。ケイコの面倒を献身的に見てくれる、
   いつも傍に居てくれる存在が必要なのだ…………。

千歳:それで僕に白羽の矢が立ったと?

美鳥:…………ああ。これでも私は、お前に絶対の信頼を寄せているからな…………。

恵子:★あうぅ★

千歳:それにしても、見た目20代半ばの女性が、乳児のような振る舞いを素で行う姿というのはシュールというか、正直言ってかなり引くというか。

美鳥:…………何か言ったか…………?

千歳:はい。いつか僕が貴女を超えた時、求婚するつもりだと言いました(棒読み)

美鳥:…………臆面も無くそういうことを言うな。惚れる。そういう訳でお前は、しっかりとケイコの面倒を見るんだぞ…………じゃあ、私は仕事があるから。

千歳:ああ、ミドリさ~ん! 行ってしまった。
   取り残された僕が後ろを振り返ると想い人と生き写しの女性、ケイコさんと目が合う。彼女は汚れを知らぬ無垢な笑顔で僕を見つめている。
   しかも下着姿とさほど変わらないコスチューム。さらに狭い部屋に2人きり。その上布団まで敷いてある。

恵子:★もきゅ?★

千歳:常に気を張っていてビシバシとしたイメージのミドリさんからは想像もつかない、いかにも純情そうで隙だらけな表情をした少女がそこにいた。
   普段のイメージとのギャップに思わずクラクラする。ミドリさんの知られざる一面を見た気がした。

恵子:★ふみゅう★

千歳:ゴクリと生唾を飲み込む音が狭い室内に響く。この状況で食指が動かない方がどうかしているというものだ。
   「少しくらい悪戯したって分からねえよな?」
   「頭が乳児何だから、セクハラを不快に感じることも無いだろ」
   「世話を仰せつかったのだから、少しあやしてあげるだけだ」
   などと、自分が今から実行しようと考えている、痴漢という非人道的な行為を正当化するような発言を呟きながら、
   僕は双眸に狂気の光を爛々と光らせながら、フラフラとケイコさんの元へと歩み寄っていく。

美鳥:…………言い忘れていたが、この部屋には監視カメラが無数に設置してあるからな。くれぐれもアダルトビデオを撮影してしまうような真似はするなよ…………。

千歳:そ、そそそそそ、そんなこと、するわけにゃいではありませにゅかっ!

美鳥:…………うむ。最初から信じてはいたが、念のためな。それでは引き続き頼んだぞ…………クスクス。

千歳:一世一代の完全犯罪に手を染めようとしていた僕は、寸前のところで正気を取り戻した。ヘナヘナと足腰が砕けたかのように、その場へと崩れ落ちる。

恵子:★あははっ★

千歳:正面から真夏の太陽のように眩しい笑顔をケイコさんに向けられて、僕はハッとした。
   「こんなに清らかで可愛い生き物に対して下衆な真似をしようとしていたなんて」と、自らの醜悪な心を恥じ、自責の念に駆られる。
   と、その時だった。

恵子:★だ―――――!★

千歳:ぎゃあああ! いきなり不意打ちの右ストレートが炸裂した。ケイコさんの腕力は大人と同じで、しかも頭は赤子なので手加減が一切無い。
   つまりメチャクチャ痛い。これは、一瞬でも欲望に流されてしまいそうになった愚かしき僕への天罰なのでしょうか。
   全身が壁へと打ち付けられた僕は、遠のいていく意識の中で、そんなことを考えていた。



 (その日の午後)


千歳:こうして僕の、憧れのお姉さんのクローンを育てるという異様にも程がある毎日が始まった。

恵子:★えぐっ、えぐっ、ううう★

千歳:わあ、どうしよう。ぐずりだした。それにしても綺麗系の大人の女性が表情を歪めて泣きじゃくる様子というのは、
   何やらやらしい行為を連想させて、何というか非常にエロい。

恵子:★うああああん★

千歳:そんなことを考えているうちに、本格的に泣き出してしまった。号泣する女性と二人きりだなんて、まるで修羅場ではないか。
   とても笑えない。ああ、僕は一体どうしたら!

美鳥:…………お前、そいつを抱いてやれ…………。

千歳:ミ、ミドリさん! だ、抱いてやれだなんて、そんな! いえ、そういうことをしたくないと言ったら嘘になりますが、
   それは倫理的にマズイと言いますか。女性の初体験を奪ったとあれば男として責任が発生するしょうし。
   そうだ、ミドリさんとケイコさんが全く同じ身体ということはミドリさんが経験済みなら問題は無いはず! 
   単刀直入に聞きます! ミドリさんは処女ですぐぼあああ!

美鳥:…………興奮して妙なことを長々と口走るな、キモイから。次はハイキックじゃすまないぞ。
   そうじゃなくて抱っこして安心させてやれと言っているのだ…………。

千歳:だ、抱っこですね! 分かってましたよ、勿論最初から! よいしょっ! 
   僕はケイコさんの艶やかな肢体を横抱きにして、すなわちお姫様抱っこして持ち上げた。

恵子:★きゃははは★

千歳:案外簡単にケイコさんは機嫌を直した。大胆に肌をさらけ出した成人女性を抱きかかえることで素肌同士が密着する。
   その感触を楽しみたかったのだが正直言ってそれどころでは無かった。何故ならケイコさんは見た目以上に体重があって、
   腕とか腰とか膝とかがかなりキツイのだおおおお!

美鳥:…………ケイコの体質を愚弄するのは、私を愚弄するのと同じだ…………。

千歳:確かに僕が悪かったですけど、嫁入り前の女性が、後輩の男子に浣腸というのはいかがなものでしょう。

美鳥:…………ケツの穴に私の指先による一撃を受けてなお、ケイコを落とさずにしっかりと抱きかかえているとは、大したものだ。褒めて使わすぞ。

千歳:はあ、ありがとうございます。

恵子:★あっちょんぶりけ★



 (その日の夜)


千歳:長かった一日も終わりを迎えようとしていた。

美鳥:…………ご苦労だったな。初日だし今日はもう帰っていいぞ…………。

千歳:いえ、せっかくなので最後までやらせてください。

美鳥:…………ほう。「最後までヤらせてくれ」か…………ニヤニヤ。

千歳:あ、いや、最後までやらせてというのは、そういう意味では無くてですね、
   そりゃあ、やらせていただけるのならそれに勝る幸せは無いんですけど、いきなり3人でというのもハードルが高いと言いますか。
   今はそうじゃなくて、あうっ!

美鳥:…………お前はエロスが絡むと途端に駄目になるな…………。

千歳:ミドリさんのデコピンは相変わらず地味に効きますね。ですから、僕はケイコさんの世話を最後までしたいのです。
   世話と言っても下の世話では無く、きゃんっ!

美鳥:…………安易な下ネタは思いついたとしても言うべきではないということをオマエはいい加減学ぶべきだ。命が惜しくないなら別だがな…………。

千歳:見た目は派手だけど、さほど痛くはないビンタが板についてきましたね、ミドリさん。そうじゃなくて僕はケイコさんに情が移りまして、
   出来るだけ長く傍に居たい、ただそれだけなのです! やましい下心は毛頭ございません!

美鳥:…………そうか。残る仕事はケイコを風呂に入れて身体を洗い、寝間着に着替えさせ、寝付くまで同じ布団で添い寝することなのだが。
   そんなにやりたいのなら…………。

千歳:お、お風呂に、添い寝ですか? とりあえず妄想してしまうのは若者の性というものだろう。
   脳裏に浮かぶめくるめく淫靡な光景に僕は頬が発火するのを感じた。実際にそんなことをしてタダで済む自信は微塵も無い。

美鳥:…………もしもし、警察ですか? 変態です。捕まえて下さい…………。

千歳:きょ、今日のところは失礼いたしま―――――す!!(ダッシュで走り去す)

美鳥:…………フフフ。いざ甘美なシチュエーションを目の前にするとヘタレるか…………可愛い奴。



 (おまけ)


千歳:すいません、失礼します。慌てて研究所を飛び出した僕は、財布等の貴重品を置き忘れたことに気付いて戻って来た。

恵子:★にゃはは★

美鳥:…………待て、ケイコ。身体をしっかり拭かないと…………。

千歳:っっっ! 僕の視界に飛び込んできたのは、濡れた綺麗な長髪を振り乱しながら、満面の笑顔で走るケイコさんの姿だった。
   それも一糸まとわぬ生まれたままの姿で。風呂から上がって親に身体を拭いてもらっているときに逃げ出すという、子供ならば珍しくも無い行動である。
   だが目の前にいるのは、意中の女性のクローンだ。こ、こんな素晴らしい光景があっていいのか。
   ユアガリビジンガ、ゼンラデ、ハシッテイル。

恵子:★うふぅん★

千歳:瓢箪を思わせる凹凸に恵まれた成熟した女性らしい裸体からは湯気が立ち上り、飛沫を舞わせていた。
   剥き出しの豊乳は身体の動きに合わせてブルンブルンと乱舞し、男の視線を釘付けにする。
   生まれて初めて生で見た女の裸に僕は心奪われた。妄想の中でミドリさんは何度も脱がしているが、実際に見ることが出来る日が来ようとは思わなかった。
   いや正確には南雲ミドリ本人のヌードではないのだが、そんなことはさしたる問題では無い。
   スラリと引き締まっていながら全体的にプニプニしていそうなその魅惑の身体を抱きしめたい衝動が全身を駆け巡り、全身の肌という肌を突き破りそうだった。
   そして僕の中で、決して入ってはいけないスイッチが全開になってしまったのである!!

美鳥:…………死ね…………!

千歳:ごはぁ! 僕がレイプ魔と化す瞬間、背後からミドリさんにシメ上げられた。

美鳥:…………ケイコのスッポンポンを見たということは、私の裸を見たのと同じだ。責任はいずれ取ってもらうぞ…………
   私の身体なら、いつでも見せてやるから…………。

千歳:薄れゆく意識の中で僕は、有りえない幻聴を聞いた気がした。



 (20××年 6月某日の朝)


千歳:あれから2か月の月日が流れた。今日も僕は研究所にやって来た。今やケイコさんと過ごす時間が僕にとっての日常である。
   この仕事が毎日の楽しみであり、生き甲斐となっていた。

恵子:★すやすや★

千歳:はは。気持ちよさそうに寝ているなあ。

恵子:★ううん★

千歳:僕は彼女の安らかで無防備な天使のような寝顔に心が癒されるのを感じて自然と口元が緩む。
   ああ、この子はなんて可愛いんだろう。

恵子:★ふみゅう★

千歳:恋とはまた違う愛おしいと思う感情が胸いっぱいに広がっていく。僕がケイコに恋愛感情を持つことはあり得ない。
   何故なら僕が恋する女性は生涯ミドリさんただ一人だからだ。

恵子:★はにゃあ★

千歳:僕はケイコさんの頭を、我が子を愛でるように優しく撫でる。

恵子:★うにゅう♪★

千歳:ケイコさんは気付いているかな。ミドリさんって、本当は人一倍怖がりで、凄く女々しい性格の人なんだ。
   昔から並外れた才能に恵まれていたミドリさんは周りに理解されず、いつも孤独だったらしい。
   今でもあの人は他人と深く関わることを恐れていて、強気な態度で本当の自分を隠し必死に虚勢を張って生きている。

恵子:★…………★

千歳:ミドリさんは強い自分であろうと誰よりも努力している。揺るがない信念があって中身の詰まった人間なんだと思う。
   自分のクローンであるキミを迷いなく受け入れたことからも分かるように、ミドリさんの心の広さは間違いなく本物だ。
   僕は何も、あの人のオッパイの大きさに惚れたんじゃない。器の大きさに惚れたんだ。ははは。

恵子:★きゅうん★   

千歳:そうだ、僕はミドリさんが大好きだ。いつか僕が、あの人を守ってあげられるくらいの男になりたいと思っている。

(ずっと恵子かと思っていたけど美鳥だった)
美鳥:…………ん、もう来ていたのかチトセ…………。

千歳:ミ、ミミミミミ、ミドリさんっ! どうしてこんな所で寝ているんですかぁ! と言って僕は跳ね上がるようにして、後方へと飛びのいた。

美鳥:…………いやあ。徹夜続きで、ついバタンと…………。

千歳:どうやら頭を撫でられていたことには気づいていないようで安心した。それにしても、ケイコさんと見間違えてしまうような、
   あんなにあどけない表情がミドリさん本人にも出来たとは驚きである。頭を撫でただけだったから良かったけど、
   ノリでオッパイとか揉んでいたとしたら、どうなっていたことか。色んな意味でドキドキだ。

美鳥:…………(小声)実は最初から起きていたのだが、タイミングを失って寝たふりしていたこと、ばれてないだろうな。
   それにしても、か、可愛いとか、恋するのは生涯私だけとか、大好きとか、頭なでなでとか、どうしよう、恥ずかしい…………嬉しすぎる。ドキドキ。

千歳:何故だか、この部屋に二人分の心音がうるさいくらいに鳴り響いていた。それにしても、やけに心地いいドキドキだ。



 20××年 8月某日 夜


美鳥:…………ケイコ、一人でシャンプー出来るな…………?

恵子:★はあい、ミドリさん!★

美鳥:…………そうか、偉いぞ…………ここはシャワールーム。私は、ある程度の知能を身につけたケイコと共に身体を洗っている。
   それにしてもケイコは相変わらず、私と全く同じ顔つきと体つきをしており、向き合うとまるで鏡の前にいるようで少し妙な気分だ。
   いや毎日睡眠をたっぷり取って私より健康的な生活をしているせいか肌のキメなんかはケイコの方が? いやいや私だってまだまだ捨てたものではないはずだ! 
   現在、絵的にどのような状況かというと、さしずめ双子の美女二人の扇情的なサービスシーンといったところだろうか。いうまでもなく二人とも全裸だ。
   親愛なる読者諸君、自由に妄想してくれて構わない。おっと最近モノローグっぽい独り言を口にするというチトセの癖がうつってしまったようだ…………。

恵子:★ねえ、ミドリさん。私、前から考えていたことがあるの★

美鳥:…………ん、何だ?…………自慢の長い髪を洗い終えた私は、ケイコのいる方へ顔を向けた…………。

恵子:★同じ人はぁ、二人もいらないと思うんですぅ★

美鳥:…………疑うことを知らない純粋な子供のような笑顔をした恵子は、どこから取り出したのか、刃渡り30センチはあろうかという包丁を持っていた…………。
   …………はは、ケイコ冗談はよせ。あまり笑えんぞ…………。

恵子:★でもぉ、前みたいにチトセお兄ちゃんが間違えちゃうかもしれないじゃないですかぁ★

美鳥:…………冗談を言っている様子では無い。私はハッと固唾を飲んだ。子供というのは善悪の区別がつかない。彼女に今、何を言っても無駄だろう。
   この世で一番怖いのは理屈や常識の通じない人間だ。ドラ○もんか何かで、偽物が本物に成り変わろうとするという話があったような気がする。
   なんてことをふと思い出した…………。

恵子:★これは、みんなのためなんです★

美鳥:…………ケイコは包丁を握りしめた手を大きく振り上げた。…………全裸で。
   あまりの恐怖に言葉を失った私は、ただ全身を細かく震わせ、おそらく情けない泣き顔を晒しているであろう顔を横に大きく振りながら、
   後ずさりして壁に背中を付ける…………全裸で。

恵子:★さようなら、今の私★

美鳥:…………ケイコは私の予想とは裏腹に、刃の先端を自分の顔に向けた。そして勢いよく振り下ろす…………
   …………や、止めろケイコ! 何を…………! 思わず私は腕で顔を覆った…………。

恵子:★ミドリさん、どうですか? 似合いますか?★

美鳥:…………固く閉じた目を開けると、いつも通り柔和な笑顔のケイコが立っていた。
   しかしその姿は、見慣れたロングヘアでは無く、活発そうなボブカットである。何だこれは。イリュージョンか? 
   何が起きたのか分からず、私は唖然とする…………。

恵子:★見分けが付きやすいように、髪形を変えてみましたぁ。どうです? 似合いますかぁ?★

美鳥:…………そ、そうだな。似合うぞ、とても…………
   …………紛らわしい言い方しやがってとか、包丁でそこまで綺麗に髪をカットできるスキルを、一体どこで身につけたんだとか、
   言ってやりたいことは山のようにあったが、怒る気力は残っていなかった。というより…………。

恵子:★本当ですかぁ? 嬉しい♪ ありがとうございますぅ★

美鳥:…………(全裸で)クルクルと踊るようにして喜ぶ天真爛漫な我が子を見て、すっかり和やかな気分となり、怒りの感情すら湧いてこなかったのである。
   しかし恐怖という感情はそう簡単に切り替わるものではない。涙目で表情をひきつらせた私は、その場へと腰が砕けるように崩れ落ちた。全裸で。
   心臓は破裂せんばかりにバクンバクンと未だに高鳴っている。それにしてもハラハラした。周囲にはケイコの髪の毛がハラハラと舞っている。
   あ、すいません。単なるダジャレです…………。

恵子:★それじゃあ、私はお先に失礼しまぁす★

美鳥:…………ああ、ちゃんと身体を拭くようにな…………
   …………ちなみに、先ほど私が緊迫した空気に耐え切れず失禁してしまったことは、シャワールームなので誰も気づいてない…………。



 (終章 1年後くらいの話)


恵子:★それじゃあ、次は水虫の特効薬でも開発しましょうかぁ。これが完成したらノーベル賞ものだって、みんな言っていましたよぉ★

美鳥:…………ケイコ、飲み屋でのオッサンの言葉をあまり真に受けるな…………。

千歳:ケイコさんは、ミドリさんと同じ頭脳の持ち主だけあって知識の吸収が早く、今やミドリさんと並ぶほどに優秀な研究者になっていた。
   双子の美女の天才科学者ということで、世界中から注目されている。

美鳥:…………つい最近まで、お前がケイコの身の回りの世話をしていたのになあ。フフフ、軽々と出世されて悔しいか…………? 

千歳:いえ、嬉しいものですよ。大きな力を持つ者の成長に携われたことを誇りに思っています。
   そ、それよりミドリさん、どうして僕の肩を抱いているのですか。

美鳥:…………気にするな、単なるスキンシップだ…………。

千歳:でも、あの、その。腕にフニフニと柔らかいものが当たっていますけど。

美鳥:…………あ、て、て、る、ん、だ、よ…………♪

千歳:キャラが違くないですか、ちょっと! 止めて下さいよ、ケイコさんもいるんですから!

美鳥:…………何だ、二人きりなら構わないというような口ぶりだな…………もにょもにょ。

千歳:からかうならからかうで、歯切れよく言ってくださいよ! 何を貴女まで頬を紅潮させているんですか!

恵子:★ああ~、2人だけ仲良しさんでズルいですぅ~。私も入れてくださいよぉ~★

千歳:神々しいほどに眩しい笑顔をしたケイコさんが飛びついて来た。それを僕とミドリさんとで受け止める。
   ケイコさんは宝物を誰にも渡すまいと言わんばかりに僕たちをギュッと抱きしめてきた。いくら精神が成長しようと、甘えん坊な性格は変わらないらしい。

恵子:★ミドリさん! チトセお兄ちゃん! だ~いすきだよ!★





千歳:以上、「プラネット・コミュニティ」のコントでした! せーのっ!

3人:ありがとうございました!


ジンガー

マグネッツ

スライドGARAS

サイクルハンマー

QQQ

加点・減点

平均点

総合順位

55

45

66

45

57

72

20

51.8

26位

・素敵なお話ですね。そういうものとして見るならばしっかり出来てて良かったと思います。
笑いとして言うならば、物足りなかったですかね。
モノローグ的に読むってとこは笑い的に面白く、後半工夫も見られて良かったですが、
それだけを笑いを取る武器とするならばもう2、3捻りぐらいは使い方に工夫が必要かなぁと。(ジンガー)

・このトリオの書き分けはいいですね。真似したい。
いしかわゆうきさんが順調にネタに自身の性癖を入れるようになってきて嬉しい限りです。
文章力のあるただの妄想じゃねえかって部分も結構あったのですが、
「あっちょんぷりけ」、「包丁で髪を切る」、「間をあけるな。私のセリフかと思われるだろ」あたりはよかったです。
雰囲気がコミカルだったのも好印象です。(マグネッツ)

・いや自己紹介から始まるコントて。営業じゃないんだから。

そして内容。エロいラノベじゃないんだから。まあラノベ狙ったんでしょうけど。
正直、ボケとして面白かったのは突然のあっちょんぶりけぐらいで、あとは
なんというかこう、正直、ボケなのかこれ?ぐらいのアレでした。ごめんなさい。(スライドGARAS)

・意外と誰が喋ってるのかはっきり分かる手法は長文では珍しい気も
コントの台本というよりはライトノベルのような印象で、明確な笑いどころっていうのはほぼ無いと思うんですけど、話のしっかりとした感じだったり、キャラの分かりやすさだったり、いしかわさんの変態性だったりが盛り込まれてて好印象でした
スラガラさんの意思を継ぐものが現れたのかもしれない(、)

・まさかこの企画に官能小説が投稿されるとは・・・ 文章力は素晴らしいです。テーマの割に下品さは控えめで、文学作品としての質の高さを感じることができました。
でも、投稿するところを間違えていると思います! コントという観点から見れば、長ゼリフが多い割に笑いどころが少な過ぎです。
ネットお笑い界という場所で勝負するならば、突拍子もないボケを随所に入れたりして笑いを増やす努力をすることが必要だと思いました。
基礎はしっかりしているので、今後大化けする可能性はあると感じましたね。(サイクルハンマー)

・「恵子のピュアさ加減に翻弄されて妄想を膨らます千歳を一刀両断する美鳥」という基本的な流れがしっかりしていたものの、
途中で官能小説的な色が濃くなり出してから少しずつお笑いとかけ離れてしまったような気がしました。
千歳の建前と本音がゴッチャになっているギミックが凄く印象的だったので、個人的にはもう少しそれを踏まえた展開も見てみたかったです。(QQQ)

・一本の作品としてみるとかなり完成度は高いなって思いました
笑いの部分は小ボケの範疇を超えることは少なかったのですが、文章が上手で面白かったですねぇ
なんか続編を書いてほしいと思っちゃいました(翔)


エントリーNO.28 順列組合

「ミューティレーションレポート」

しあ「こんばんわ宇宙人デス」

率子「まさかUFOにさらわれるとは。夜出歩くんじゃなかった。
   お父さんの天体観測に付き合うんじゃなかった。無事に帰れたら八つ当たりをしよう」

しあ「ご覧の通り銀色ツルツルテカテカの、いわゆるグレイタイプの宇宙人デス。
   火星人タイプのタコみたいなのを期待していたとしたらご期待に沿えずゴメンナサイ」

率子「でも、まだあわてるような段階じゃない。
   グレイタイプの宇宙人とはいえ、話が通じるようなのでなんとかして穏便に帰してもらおう。
   だからこんばんわー」

しあ「こんばんワー。ぼくは本日あなたのミューティレーションを担当いたします、しあデス」

率子「大丈夫、挨拶がしっかりしてるもん。たぶん育ちが良い」

しあ「今回は夏休みを利用して地球に来たデス」

率子「でもショタかー。子供心は不確定要素だなー」

しあ「初めてのエイリアン活動楽しみデス!」

率子「ただこの無邪気さにときめいている自分がいるのも事実。プラマイゼロとしよう。
   なのでタメ口でいいよー」

しあ「わーい♪ やったー優しいおねーさんで良カッター♪」

率子「まぁ敬語の前にまずなぜ日本語が通じてるのかって話なんだけど」

しあ「日本語が通じているのはアナタたちで言うバウリンガル的なやつを使っているからだヨ」

率子「少しプライドが傷つく事実を聞かされた」

しあ「あとこのコトは他言無用でお願いネ? お母サンにナイショで来ちゃってるカラ」

率子「やんちゃのスケールが違うなぁ」

しあ「いつもお母サンには『変な病気持ってるかもしれないから田舎星で得体の知れない生き物さわっちゃダメ』って言われているんだヨネ」

率子「悪気は無いんだよね? 私はまだそこを信じていたい」

しあ「でも今回は地球に来たかったンダ。
   夏休みの宿題は地球テーマでやりたかっタ! 
   みんなが選ばないようなマイナーでマニアックな星でやることによって個性をアピールするためニ!」

率子「信じていたいのに」

しあ「自由研究の題材に地球人の生態なんて渋いジャン?」

率子「渋いといわれるのは悪い気しないな」

しあ「さらに日本なんて面倒くさくて誰も選ばないシ」

率子「でも面倒くさいと言われるのは問いただしたくなってくるモノだよその意味を」

しあ「日本は人口密度が高いから狙って一人を捕まえるのが難しいカラ」

率子「まさかこんな持て余すほどの納得が返ってくるとは」

しあ「しかしUFOキャッチャーガチ勢のぼくとしてはあえてそこに挑みたくテ」

率子「遊び盛りが過ぎるよ」

しあ「あと京極夏彦のファンだしネ」

率子「かなり通の親日家じゃん」

しあ「んで、そろそろ自由研究始めてイイ? 切り開いて生態調べてイイ?」

率子「しまった手術フラグ回避する方向にトーク持ってくの忘れてた」

しあ「今もう宿題残りそれだけだから、とっとと終わらせたい気分」

率子「とっとと解剖されるのかぁ……」

しあ「ほとんど自由研究と工作以外は全部終わらせて来てたんダ。
   工作もさっき君のお父さんの頭頂部にミステリーサークル作ったからもう出来てるシ」

率子「絶対に生きて帰って見てやる」

しあ「そんなワケで、シャルウィーミューティレーション?」

率子「ロマンティックなお誘いだけれども」

しあ「ちょっとこの手術受諾書をちょちょいと埋めてくれるだけでイイカラ!」

率子「ヤバさしか感じないセリフになってるよ」

しあ「ついでにまぶた二重にもしてあげるカラ」

率子「是非お願いします」

しあ「ヤッター♪」

率子「しまったプチ整形の魅力にほだされてしまった」

しあ「じゃあコレ書いてネー♪ あ、ハンコん所は認め印でダイジョブだからネ」

率子「ハンコの持ち主は全然大丈夫じゃないけどね。
   貴重品をしっかり肌身離さず持ち歩くクセが裏目に出るなんて」

しあ「じゃ、ぼくはちょっと手術室ファブリーズしてくるから、それ書いててネ♪」

率子「でも小悪魔系ショタに手玉に取られる快感みたいなのを感じつつもあるんだよね。
   くそう、グレイタイプのくせに母性をくすぐる言動を繰り返しやがって」

しあ「さて、そろそろ切り開こうカ!」

率子「私は君のことを心の中で妖怪トントン拍子と呼んでいる」

しあ「じゃあまず剃毛するネ」

率子「そしてうっかりマニアックAVな絵に足を踏み入れてしまっていた事にいま気が付く私」

しあ「せっかくだから永久脱毛にしとくヨ」

率子「このちょいちょい訪れる棚ぼたに飛びついてしまう自分の心の弱さが悪いのだという自覚はある」

しあ「さっそくこの手術コンベアの上に乗ッテー」

率子「こんな工場見学でよく見る生産ラインみたいなのでやるのか……。
   私はもうこの流れ作業から逃げ出すことは出来なさそうです。
   ごめんなさいお母さん。ちょっとワクワクしているのも含めてごめんなさい」

しあ「ぼくは隣でそのマシンの操作してるノデ」

率子「それ持ってるのプレステのコントローラーじゃね?」

しあ「そうダヨ。デュアルショック対応のヤツ」

率子「手術ミス誘発しそうな機能付いてるヤツか」

しあ「あと長引くと思うから寝てていいヨ」

率子「基本的に雑な生き物だと思われてるのが癪なのだと言う事にだけはせめて気付いて欲しいモノです」

しあ「じゃあ起キテル? 起きてせっかくだから自分の断面とか見ル?」

率子「配慮が極端だわ」

しあ「って言うか話しながらもう切っちゃったんだケドネ」

率子「え? こわっ」

しあ「会話を邪魔せず静かに剃毛から麻酔・切断までやれる良いマシン買ったんだヨネー♪ フフン♪」

率子「宇宙人の麻酔のクオリティと使い方めっちゃこわっ。知覚ゼロじゃん」

しあ「さぁ、まずこの状態で軽くスケッチ」

率子「ここまでの技術を使ってCTスキャンの劣化作業だよ」

しあ「小学校ってなんで課題全部手書きで提出しなきゃダメなんだろうネェ?」

率子「それ宇宙人でもなんだ」

しあ「あ、でさぁ、輪切り肉塊状態で待機してるうちに聞いときたいんだケド」

率子「君は考えうる限り最悪の表現を持ってくるのが得意だよね」

しあ「入れてほしいチップとかアル?」

率子「あのよくみんな入れるちっちゃいヤツ?」

しあ「ウン、金属片」

率子「無駄インプラントの希望調査かぁ。考えが付かないにも程があるなぁ」

しあ「色とか形とかいろいろ選べるんダヨ」

率子「色とか形とか確認できない所に収納しちゃうのに?」

しあ「カロリーの低いチップにしたりもできるシ」

率子「それはマストで頼むわ。ってかまず埋め込まれたチップのぶん太るとか悲劇過ぎるでしょ」

しあ「じゃあそうしとク。んでこのCPUコアプロセッサー搭載のやつにしとくヨ」

率子「インテル入ってく」

しあ「さてそんなこと言ってる間に断面スケッチも終わったシ、チップ入れヨウ。人間って脊髄どこダッケ?」

率子「背骨だよ。怖くなる質問しないでよ。怖さの麻痺はまだ解きたくないんだから」

しあ「じゃあ背中からオープンセサミすれば割と簡単にできそうカナー」

率子「開けゴマのテンションで切開する気なのかよ。へそ側から開いちゃいそうだからやめてよ」

しあ「まぁもう開いてるんだケド」

率子「君のスームズで乱れぬ作業ペースは、あるイミ執刀医として優秀なのかもしれないね」

しあ「…………皮下脂肪が気になってキタ」

率子「えっ? まだデリカシーを失えるの?」

しあ「あ、イヤ、おねーさんのコトじゃなくッテ。ふと見た自分のオナカが最近出てきちゃってるなぁと思ッテ。
グレイタイプなのにデブって目も当てられないビジュアルになるジャン?」

率子「そうか、質感との相乗効果で重量感すごいことになっちゃうもんね」

しあ「テカテカしてるシネ。テカテカしてるヤツのデブは目も当てられないカラネ」

率子「お察しします」

しあ「だからダイエットしなきゃなーッテ。
   …………あ、そうダ! 確かダンスダンスレボリューション用・足マットコントローラーがあったハズ!
   それ今使オウ! 手術マシンの操作に使オウ!」

率子「どうして私の命はちょっと愉快にピンチを迎えるんだろう」

しあ「ちょっと押入れの奥から出してクルー♪」

率子「雪崩起こす可能性があるからやめた方がイイよ」

しあ「大丈夫、ぼくはお片付けができる子だカラ」

率子「くそう、育ちの良さ」

しあ「さて繋いだので手術再開っ。リズミカルに行くヨー、曲目はWE WILL ROCK YOU !」

率子「確かにこの上なくロックなチャレンジではあるけどな」

しあ「ミュージックスタート♪」

率子「あとで全国の音ゲーファンに謝っときなよ」

しあ「下! 下! 左右!!  下! 下! 左右!!  メス! メス! 汗!!」

率子「イントロのコマンドステップそんな感じなんだ。ってか手術マシンに汗拭き要る?」

しあ「メス! メス! 汗!!  メス! メス! 汗!!  ウィー! ウィール! ウィー! ウィール! ロッキュー!!」

率子「ロッキューで生理用食塩水ぶちまけるのやめていただけません?」

しあ「ウィー! ウィール! ウィー! あっ!? ロ、ロッキュー!!」

率子「あ、今3本目の足出した。すごい気持ち悪いズルをした。でも命には代えられないから許す」

しあ「よし来タッ! なんとかパーフェクトで最後まで行ケタッ! 後でニコニコに上げヨウ!」

率子「絶対削除されるから。ドワンゴ運営の仕事を増やさないであげてよ」

しあ「おっト? あ、そうカ。パーフェクトゲームだったからボーナスでもう一曲あるんダッタ。やんなきゃダ」

率子「やっべ、コレずるずるゲーム続けちゃうパターンのやつだ」

しあ「まだまだぼくの脂肪は減っていくゼー♪」

率子「まだまだ私の精神はすり減っていくぜー」

しあ「ボーナス手術、何にしよッカ?」

率子「出来るだけ安全なやつを希望したい」

しあ「じゃあプチ整形あたりカナ? おっぱい増量とかスル? ちょうど地球の技術じゃまだ出来ないようなヤツもあるんだケド」

率子「アイラブオーバーテクノロジー」

しあ「それにするネー」

率子「君は飛びつきたくなる要素を出すタイミングが本当に上手い」

しあ「何個作ル? 5個くらいカナ?」

率子「数増やす方向の増量は求めてないし、少なくとも奇数はあり得ないよ。サイズ増量の方で。元の2個を加工するだけにしてね」

しあ「なるほど素材の良さを生かす方向のオーダーなんダネ。粋な注文ダ」

率子「素材としての自分が恥ずかしくなる褒められ方をされてしまった」

しあ「魔改造ってテンションあがるよネ」

率子「そっち視点だとそんな認識なんだ……」

しあ「じゃあミュージックスタート♪ 曲目は最近流行のアナ雪のテーマ曲で行くカ♪」

率子「君、音楽の趣味だけは洋楽寄りだよね」

しあ「レリゴ~♪ レリゴ~♪」

率子「整形手術に「ありのままで」と歌われる皮肉に、私は負けない」

しあ「レリゴ~♪ レリゴ~♪ ロッキュー!」

率子「生理用食塩水やんなきゃいけないせいで曲に変なコール入ってんじゃん」

しあ「さて、だいたい完了ー」

率子「スムーズさだけは最高だよね」

しあ「あ、ゴメン。腎臓落っことしちゃッタ」

率子「褒めた途端にシンプルなミス。自分の内臓が関わってなきゃ良いあざとさなのに」

しあ「醤油と砂糖で甘辛く煮込むコンベアラインに行っちゃっタ」

率子「やべえ美味しくなる」

しあ「ワー、どんどん味が染み込んでクー」

率子「まさか自分の腎臓が和食化するのを実況される日が来るとは」

しあ「どうしようコレ? 2ちゃんでスレ立てして訊くとかした方がいいカナ?」

率子「それとヤフ知恵だけにだけは自分に関する質問を載せて欲しくない」

しあ「コレ糖尿病とかになっちゃうカナ……」

率子「私は辛くされている方も心配だな」

しあ「三つ葉と大根おろしが添えられる所まで行っちゃっタ……。
   しょうがない、さっき作っておいたおねーさんのクローンのヤツをスペアに使うカ」

率子「知らないうちに自分がもう一人作られているとか怖すぎる」

しあ「もしものために作っておいてよかっタ。こーゆー気遣いってやっぱ大事なんダネ」

率子「コレだけいろいろあった中で今日イチでゾッとしたのが君の気遣いだったって言うね」

しあ「いやぁホントもう一機増やしといて良カッタ」

率子「単位に本格的な人権の無さを感じる」

しあ「ウチの星の学研が今月号の付録【みんなで作ろうクローンキット】だったんダヨネー。ラッキーラッキー」

率子「だから教育問題ってやつは嫌いなんだ」

しあ「んじゃコレ入れなおすネー」

率子「人の腎臓をスライダー投球の握り方で持ってくるのやめてね」

しあ「ちょっとくすぐったいですヨー」

率子「だとしたら麻酔が深刻な状態だよ。なんで急に美容師ごっこ始まってんの愛らしいな」

しあ「かゆい所はございませんカー?」

率子「ありません。生理用食塩水でシャンプーなんてさせません」

しあ「よし完了。さっぱりデスネ!」

率子「さっぱりなんて一瞬たりとも感じなかった。常にねっちょりした音をリズムよく聞き続けていただけだもの」

しあ「あとは縫合だけダヨ。流石に疲れたからもうマシン自動操作でやるネ。スイッチオン」

率子「あ、コレ私知ってる。ミシンだ。コンピューターミシンだ」

しあ「綺麗にヌイヌイしとくネ」

率子「かがり縫いだ」

しあ「刺繍とかもできるケド」

率子「ジャマ度の高い入れ墨の提案には乗らない」

しあ「それじゃコレで終了ダヨー。早かったでショ?」

率子「豊胸手術にかかる時間の相場知らないから分かんないわ」

しあ「ムゥ……、改造厨の本気を出したノニ……」

率子「それはあまり誇れる自称ではないよ?」

しあ「因みに改造厨として一度は藤岡宏、さんでもやってみたいなぁという夢を持ってイル」

率子「どんな星でもあの人は子供の憧れなんだなぁ」

しあ「あ、そういえばさっきチップ挿入ついでに盲腸も切除しといてあげてたんだケドサ」

率子「今日イチの恐怖再び。君ほど不言実行の親切心が裏目に出る子も珍しいよ」

しあ「それと腎臓の煮付け、あとでホムンクルスの餌にしてイイ?」

率子「それペット?」

しあ「うん、ペット」

率子「ペットのためなら仕方ないか」

しあ「アリガトウ!」

率子「私は無駄を許さないエコ主義者だからね」

しあ「おー、流石おねーさんしっかり時流の波に乗ってるカッコイイ!」

率子「インテル入ってるからね」

しあ「んじゃ、盲腸はカルパッチョにするネー」

率子「オシャレに調理されるなら本望だよ」

しあ「いやぁ今日は充実したミューティレーションを堪能させてもらったヨ」

率子「色々バリエーションには富んでたもんね」

しあ「でもそろそろお別れしなきゃいけない時間ナノデス……」

率子「良し、無事乗り越えた。私は私の中の乱暴な四捨五入によって今回の件を無事と見なす」

しあ「人工衛星から盗電してるのも引き上げないとバレちゃうと思うシ……」

率子「なんてダイナミックにケチな行動してんの」

しあ「それニ……、お別れする前にぼくは今からおねーさんの記憶を消さなきゃイケナイ……。今日の楽しかった思い出ヲ……!」

率子「あの君のエンジョイを共有できたと思っているのか」

しあ「なんかの拍子に思い出したりしないカナ……」

率子「基本的に綺麗な思い出じゃないからないと思う」

しあ「家に帰っても「なんで剃毛されてるんだろう」って気付いた時に、きっと思い出してネ……!」

率子「唯一きっかけになりそうなのコレかぁ……」

しあ「星に帰った後も脊髄のチップに連絡入れたりするカラ……!」

率子「そんな身に覚えのない超常現象、絶対深刻な悩み方するからやめて」

しあ「じゃあっ……、バイバイ……!」

率子「温度差を解決しないままホワイトアウト」


 ~少女記憶デリート中&地球へ帰還中~


率子「…………ん、アレ? 私なにしてたんだろ……? お父ーさーん? お父ーさんどこー?
   あ、いたいたお父さ…………なにそれどうしたの? 急にめっちゃ奇怪なハゲ方しちゃってんじゃん。ひくわー」




 彼女が父親の頭頂部に容赦ない脱毛で描かれた円形の幾何学模様の中に小さく「またネ」と書かれた文字があったということに、気付くことは無かったと言う。


ジンガー

マグネッツ

スライドGARAS

サイクルハンマー

QQQ

加点・減点

平均点

総合順位

35

70

69

97

38

53

65

20

63.8

20位

・設定とかツッコミのテンションとか、それぞれは悪くないように思うのですが、
何かこのネタだと双方が殺し合ってる感じで(ツッコミが変に冷静で設定の特異性が入ってこなかったり)、素材の割には楽しめなかったかなと。
あとはグロい系のが自分としては全体的にちょっと引いちゃう感じでしたかね。(ジンガー)

・終始ニヤニヤして読めました。設定を活かしたボケを放り込んでくるのが本当に上手いですね。
ただボケのスケールの割に淡々と進み過ぎているせいか、入念に捻られたボケが多いせいか、
大笑いまでは到達しなかったのが惜しいところかなと思います。(マグネッツ)

・ボケは地味というか小粒だったように感じましたがツッコミのレシーブにキラっと光るものが多数ありました。
それだけに(僕の個人的感覚ですが)ダンレボのあたりから緩やかに下降していったのがちょっと残念でした。(スライドGARAS)

・宇宙人知識の切り崩し方がうまいです。やっぱ頭いい人なんだなって再確認
最後まで無駄なく楽しく読めました。一番面白かったです(、)

・前半はそれなりに面白かったのですが・・・
もし得体の知れない宇宙人から手術をされそうになったら、普通の地球人ならば全力で逃げるでしょう。
それをあっさり受け入れてしまうという展開に無理があり過ぎて、中盤以降はネタがすんなりと頭に入ってきませんでした。
自分の腎臓が煮込まれるなんてのはグロいです・・・しかもそれを何で他人事のように実況してしまってるの!?
今回は設定ミスだったですかね。整形手術にて「ありのままで」が歌われるというのは面白かったですし、ボケ自体は光るものもあったと思うので、次回以降に期待したいです。(サイクルハンマー)

・「だから教育問題ってやつは嫌いなんだ」「オシャレに調理されるなら本望だよ」この辺りの言い回しが何だか妙な哀愁が漂ってて面白かったです。
ただこの辺は好みの問題なのかもしれないんですが、意図的なのか語彙力不足なのかさて置きツッコミの言葉選びにまだ垢抜けきらない感があって、
読み手の一歩先を突いたであろう台詞の意図がいまいち掴めずあまりツボにハマれなかったのが正直な感想です。
こういった年上女性と年下男性という関係性のコントは意外とあまり見かけないので、難しいかもしれませんがまだまだ掘り下げられそうな方向性だと思いました。(QQQ)

・7~8行目の「夏休み」だけじゃ子供と断定は出来ませんなぁ。今や大人も自由に夏休みを取る時代
それはさておきまして、ネタの内容からしょうがないとは思うんですが後半はややグロ気味で少しひいちゃいましたね
二人のやり取りのアホアホさは良いものがあるんですが、全体的に盛り上がり不足だったかなと思います(翔)